エッチ体験談まとめ

エッチな体験談を今夜のおかずに

*

優香

   

 私立〇〇高校、三年二組の教室。

 一日の最後の授業の終わりを告げるチャイムが鳴ると、優香は教科書を鞄にしまい、帰る仕度に取り掛かった。が、そのときふと鞄の中を覗くと、そこに一枚の見知らぬ写真が入っていることに気がついた。

(なんだろう…)

 不思議に思い写真を取り出した。そしてそこに写し出されているものを見た。

 優香は愕然とした。

(な、なによこれ!)

 それは自分の裸の写った写真だった。場所は自宅の風呂場??つまりシャワーを浴びる直前の全裸を撮ったものだった。かなり近くから、おそらく窓の隙間から撮ったものらしく、自分のDカップの胸や乳首、薄いアンダーヘヤーにいたるまで、細かいところまではっきりと見て取れる。

(なに、どういうこと…)

 当然のことだが優香には訳がわからなかった。どうして自分の裸が、写真に撮られて、しかもその写真が自分のカバンに入っているのか? 優香は顔を上げると、それからさっと無意識に教室中を見回した。周囲のクラスメートたちはいつものように帰り仕度をしながら授業の終わった後の解放感から友人同士ざわざわ陽気に話し合っている。優香はその中に自分を見つめている視線はないかと探したが、誰も彼女の様子を窺っている者はなさそうだった。

「優香、どうしたの?」
「え?」

 優香は突然話し掛けられてびっくりした。声を掛けたのは香織だった。優香の部活の仲間で、また彼女の一番の親友でもあった。

「さっきからなにぼーっとしてんのよ?」
「え…いや、ううん、べつに」

 そしてすかさず写真をカバンの中に隠した。

????????????????????????

 優香の携帯にメールがあったのはその夜、彼女がもう帰宅した後のことだった。差出人不明のメール… メールにはこう書かれていた。

「以下の命令を明日実行してこなかった場合、例の写真をビラにして、学校中に貼り付ける。」

 優香は読みながら自分の手が震えていくのを感じた。

「命令。明日あなたは学校に、スカートを下着の見えないぎりぎりの短さに詰めて登校すること。最低股下5cm。スカートの中にジャージ等の着用は不可とする。またもし学校を休んだ場合、その場合も命令に従わなかったものとして同様の罰をあなたに下す。なおこのことを誰か他人に、特に警察に喋ったら、写真は学校ばかりか町中にばらまかれるものと覚悟すること。」

 そして添付された画像を見ると、そこには先程彼女を震え上がらせた、例の全裸の写真がそっくり映し出されていた。

 それを見た優香は気が遠くなった。

 優香の転落の始まりはこういう次第だった。

翌朝、学校の門を通った優香は普段より短いスカートを穿いていた。しかしそれは命令に規定されていた股下5cmには遠く及ばない、せいぜい膝上15cmといったところのものだった。優香としてはこれが限界だった。いつも膝丈のスカートを真面目に穿いている優香にとっては、膝上15cmの、これでも充分恥ずかしいものだった。

 命令を完全に無視したのではない。とにかく短くはしてきたのだ。だからこれで何とか妥協してもらえると思った。また、犯人が誰かわからないが、写真を貼るとかばらまくとか、そんなことができるはずはない、単なる冗談に過ぎないだろうと甘く考えてもいた。

 教室に入った。
 優香はほら自分の考えた通りだと思った。どこにも写真は貼られていない。クラスメートたちの様子にも特に変わった点は見られない。ただ仲のいい何人かの女子が「スカート短くしたんだ、かわいいね」などと言ってくるだけだった。

 そして授業が始まり、何事もなく、昼が過ぎた。やっぱり思った通り、単なる冗談だったんだと優香はもう信じ始めていた。

 しかし最後の数学の授業中、何か男子の間でやり取りしている様子があって、やがて一人が「誰だこれ、うちの学校の女子じゃねえか?」と言うのが優香に聞こえた。
 優香はハッとした。そして男子の中だけで回っていたその紙切れのようなものが近くに来たとき、さっと取り上げた。

「うるさくて授業に集中できない」

 と言って彼女は奪い取った紙を見た。しかしそれを見た優香は途端に言葉を失った。

 それはA4サイズの紙に拡大された、紛れもない昨日の例の裸の写真だった。目のところに黒い横線が施されてはいたが、顔の輪郭や髪型から、自分でなくともわかってしまいそうな、田辺優香の全裸姿だった。

「なにそんなに怒ってるんだよ」
「別に怒ってなんか……ただうるさくて授業に集中できな……」
「もしかしてそれお前の裸だったりして……いや、待てよ、たしかにちょっと似ていたような。おい田辺それもう一回見せてみろよ」
「いやよ。だいたいそんなわけないじゃない」
「いいから見せろよ」
「いやっ!」
「おいそこ、静かにしろ、うるさいぞ」

 とそのとき壇上の教師がそう注意したので写真は再び男子たちの手に渡らずに済んだ。優香はすぐさま紙を折り畳んで自分のポケットにしまってほっとした。しかしほっとしたと同時に、優香は、もうこれは単なる冗談なんかじゃない、本気の脅迫なんだと悟るのだった。

 するとその5分後さっそくメールが送られてきた。

「もしまた命令を無視したら次は目隠しなしで学校中に公開する。放課後掃除が終わったらすぐに実験室に来るように。」

 メールを読み終えた優香の顔は青ざめていた。

放課後の実験室はひっそりしていた。実験室は校舎の外れに位置しているため授業以外に生徒はほとんど立ち寄らないからだった。

 優香は入るとまず部屋の中を見回した。が、予想に反してそこには誰もいなかった。ただ窓際のテーブルの上には明らかに不審な紙袋が一つ置いてあった。

 万がいち人が通っても見えないようにとドアを閉めた。と、それとまったく同じタイミングで彼女の携帯が震えた。メールが来ていた。

「ではまず、紙袋の置いてあるテーブルの前に立て」

 優香がその通りにすると、すぐ次のメールが送られてきた。

「では次に、その場でスカートを脱げ」

「そ、そんな…」優香は思わず声を発した。「そんなこと、できるわけない…」

 すると即座にメールが届いた。

「今から一分以内にできなければ、写真を校門に貼り付ける。」

 優香は窓の外を見た。校門は今彼女の立っている窓際の位置からよく見える場所にあった。下校中の生徒たちがまだ何人も、それこそ無数に、そこを通っていた。もし命令通りにしなかったら、自分の裸の写真があそこに貼り出され、何十人もの人間に(その中には自分の知り合いだっているかもしれない)写真を見られてしまうのだ。そう思うと躊躇している暇はなかった。もうメールを読んで考えているうちに三十秒以上は経過していた。

「もう従うしかないのね」
 そう考えて優香はスカートに手をかけたがなかなか決心がつかなかった。実験室だからといって誰も来ないとは限らない。もし自分が下着姿でいるところへ誰かが入ってきたりなんかしたら、一体何と説明すればいいのだろう。

 こうためらっているうちに五十秒が経過した。優香はまだスカートに手をかけたままどうしようかと迷っていた。

 するとそのとき、校門の前に突然、大きなポスターを手にした人間が現れて立った。遠くてその顔はよく見えず、また学校のジャージを着ているのでここの生徒であるらしいことはわかったが男女の見分けはつかなかった。しかし正体はわからないがその目的は、優香には一目瞭然だった。生徒はもう今にもポスターを広げようとしている。

「いやッ!」

 優香は悲鳴を上げ、もう考える余裕もなく、ほとんど反射的にホックを外して…そしてとうとうスカートを、腰から床へすとんと落とした。

 短いセーラー服の裾は彼女の白い下着を隠してはくれなかった。夏の夕暮れの日差しが剥き出しのパンティーと太腿を赤く照らした。

「いやッ!」

 我に返った優香はたちまち自分の状態の不自然さを理解して恥ずかしくなったが、もはや床に落ちたスカートを自分で拾うことはできないことだった。

 校門の前に立ってポスターを持っていた生徒の姿はいつの間にか消え去っていた。
スカートを脱ぎ、下半身下着姿になった優香は、そのとき自分の携帯が震え出したのを見て跳び上がらんばかりに驚いた。

「ぎりぎり間に合ったね」

とメールには書かれていた。

「でも次からはもう考えている時間はないよ。メールを読んだらすぐ行動しないと、今のように校門に貼り出すから、そのつもりで。では、次の命令。それは今あなたの前に置いてある紙袋を持って、すぐ隣の女子トイレに向かうこと。ただそれだけのこと。簡単だろ? ただその際、脱いだスカートはその場に置いていくこと。ではこれも一分以内。始め」


(そんな、このままの格好でなんて、そんなこと……)

 そんなこと、優香にはできるはずがなかった。が、今はもう迷っている暇はなかった。やるしか他に道は残されていないのだ。

 実験室のドアを開け、外の廊下に出ると、そこのひんやりした空気が、優香のあらわな太腿と下着だけの股間を冷たく撫で付けた。廊下はひっそりしていた。どこからも足音は聞こえてこなかった。しかしいつ人が現れてもおかしくなかった。もし今のこんな状態の自分に出くわしたら、その人は私をきっと変態と思うだろう。そうなればもう一巻の終わりだ。

 トイレまではほんの数メートルしかなかったが、そこまで走っていく時間が優香には非常な長さに感じられた。

 トイレの個室に入り鍵を閉めるとすぐまたメールが届いた。

「今度は早かったじゃないか。だんだんお利口さんになってきたね。逆らってもしょうがないことがようやくわかってきたかな。じゃあ、いよいよ最後だ。といっても最後のは、別に命令でもなんでもないから、優香さん、あなたのご自由に。今あなたの持っているその紙袋の中のものを着ること、それだけのこと。」

 優香はすぐさま紙袋の中を見た。高校の制服のスカートだった。彼女は一瞬ほっとしたが、続いてそれを手に取ってみて唖然とした。それは、制服のスカート、といっても見るからに短い、陸上のショートパンツほどの丈しかないスカートだったからである。

(なにこれ…こんな短いスカートを穿けっていうの?)

 とはいえ、スカートもなにもないパンティーだけの今の状態よりは遥かにマシだった。こんないやらしい短いスカートでさえ今の自分にとっては頼りになるのだ。そう思うと優香はなおさら現在の自分の惨めさを痛感せざるをえなかった。そしてそうした屈辱的な思いを抱きつつ、彼女はみずからその卑猥な短いスカートに足を通した。

 が、実際に穿いてみて、それは予想以上のいやらしさだった。なぜならそのスカートはかろうじて股に届くほどの丈しかなかったからである。ほんのちょっと屈んだり、伸びをしただけですぐパンツが見えてしまうのは確実だった。足に纏わり付くスカートの感じがまったくない。というよりまるで何も穿いていないような感じさえするのだった。

(なによこれ、いやらしい! こんなの穿いてたら下着がまる見えになっちゃうじゃない。まるで変態……頭のおかしな人の穿くものよ)

 そう思った優香は実験室に戻ってすぐ元のスカートに穿き変えようと思った。もう命令は終わったのだ、あとは自分の自由にしていいとメールには書いてあった。

 しかし実験室に戻った優香はそこでたちまち絶望のどん底へ突き落とされた。

「う、うそでしょ…」

 スカートが見当たらないのだった。床にも、テーブルにも、どこにも……。代わりにテーブルの上に手紙を一枚見つけただけだった。手紙にはこう書かれていた。

「優香ちゃんへ。今日のところはこれで勘弁してあげる。だから後はご自由に。そのかわいいスカートを穿いて帰るのもよし、嫌ならパンツだけで帰るのもよし。あ、露出狂の優香ちゃんのことだから、パンツだけの方がいいかな。もしそれでも物足りなかったらパンツも脱いじゃっていいからね。お○んこ丸出しで帰ってもいいんだよ。でもスカート買い替えたり、下に何か着たりするのは駄目だよ。そうしたら写真はばらまくよ。あと今日の一部始終はちゃんとカメラで撮ったから、公開すれば優香ちゃんの変態ぶりがみんなにばれちゃうね。だからお前はこれから卒業まで毎日その短いスカートで、ケツ丸出しで過ごすんだよ。一日でも休んだりしたら、卒業はおろか、この国で生きられないようにしてやるからな」

 優香はその場に膝からくずおれて、座っただけで見えてしまう、真っ白な下着の尻をもはや隠そうともしなかった。

 スカートを奪い去られたあの瞬間から、優香の人生は180度変わってしまった。

 翌朝、扉を開けて家を出た優香は、玄関の門のところで立ち止まり、憂鬱そうに溜息を吐いた。季節は初夏だった。通りへ出ると初夏の爽やかな風が彼女の高校の制服のスカートを揺らした。

「いやっ!」

 股下5センチほどの、短すぎるスカートがめくれると、白いパンティーがあらわになった。

(こんなのやっぱり無理……)

 優香は自分のスカートを見下ろした。これでは風が吹かなくても、ちょっと屈んだり背伸びをしただけで下着が見えてしまう。学校を休もうかと思ったが、そんなことをする勇気は彼女にはなかった。もし命令を無視してそんなことをしたら、それこそ自分の人生は台なしになってしまう。つまり、あの彼女の裸の写った写真を学校中にばらまかれてしまうのだ。だから、写真の公開はなんとしても防がなければならず、そのためには、メールの命令に従うしかなかった。

 再び下を見下ろすと、むき出しになった自分の白い太股が、ほとんど足の付け根まで露出して、風が直接下着の股間を撫でるように通ってひんやりとした。

「他に道はないのね」

 優香は決心して歩き出した。が、この短すぎるスカートでは、スカートを穿いているという感覚がなく、まるで下半身裸の状態でいるような気分だった。

 人通りの多い道へ出ると、さっそく人々の好奇の視線が彼女の短すぎるスカートに集まった。サラリーマンやOL、優香と同じ年頃の男女の学生、信号に停止中の車の運転手まで、彼女のあらわな太股を見ない者はなかった。男は半分にやけたいやらしい目つきで、逆に女は蔑みの冷たい眼差しで。駅の階段を上るとき、カバンでお尻を隠していたら、後ろにいた別の学校の女子高生二人組が、彼女に聞こえよがしの声で話し出した。

「あそこまで短いスカート穿いておいて何隠してんのよ」
「ホントはパンツ見て欲しくてしょうがないくせに」
「あんたの汚いパンツなんか誰も見たくないんだよ。この変態女」
「ていうか白いパンツ見えてるし」

 優香は顔を真っ赤にしながら階段を上って行った。

「恥ずかしがるくらいなら最初から穿くなよ」
「ああいう顔だけ真面目ぶってる女が一番むかつくんだよね」

 ホームで電車を待っている間も、電車の中でも、優香は周囲の注目を浴び続けた。不良少女でも穿かないほど短いスカートを穿いているのに、その穿いている本人の顔は、運動部系の明るいしっかりしていそうなタイプの女子高生であるというギャップがさらに人々の関心を引き付けるのだった。

 電車の中で、吊り革につかまって立っていると、目の前の座席に座っていた若いOLが、あるとき優香の顔を見上げ、睨みつけると言った。

「あの、気付いてるんならいいんですけど、ここに座ってると見えるんですよ、あなたの白い下着が。正直言って、朝っぱらから迷惑なんで、そんなに見せたいんなら誰か見てくれる男の人の前に行ってもらえませんか」

 他の乗客にも聞こえる声の大きさだったので、周りにいた人間がそのとき一斉に振り向いて笑った。死ぬほど恥ずかしかったが優香はそのOLに頭を下げて謝り(謝って頭を下げると後ろから彼女のパンツが丸見えになった)、ドアの近くに場所を移して、それ以降ずっと俯いたまま泣きそうな顔をして、優香は自分を見つめる人々の冷たい視線に耐えていた。

教室へ入るとクラス中の視線が一斉に優香に集まった。ついこの間まで真面目な膝丈のスカートだったはずの田辺優香が、突然股下5cmの短すぎるスカートを穿いて現れたので驚くのも無理はなかった。

「おい、見ろよあれ」
「パンツ見えるんじゃないか」
「田辺さんって真面目ぶってて実は結構エッチだったりしてね」
「あたしには絶対無理だわ。あんなの穿くくらいだったら死んだ方がましよ」
「ちょっとかわいいからって調子に乗ってるのよ」

 クラスメートにじろじろ自分のあらわな太股を見つめられて、優香は死ぬほど恥ずかしかった。が、脅迫されていることは秘密にしておかなければならなかった。

 席へ着くとさっそく親友の香織が優香のもとへやってきた。

「ねえ、みんな優香のこと噂してるよ。そのスカート、どうしたの?」

 親友の香織といえども、ここは本当のことを話してはならなかった。優香はいつもの明るさを装った。

「スカート? う、うん、ちょっと気分転換に…」
「いくらなんでも短すぎじゃない?」
「自分でも失敗したなって思ったんだけど、別のスカート持ってなかったから、それで……」
「あたし予備のスカート持ってきてるから、貸してあげようか?」
「い、いや……大丈夫、気にしないで」
「そう、でも……」

 でも、椅子に座っているだけでスカートの後ろがずり上がり、パンツが見えているのだと香織は言いたかったのだが、さすがにそこまでは言えなかった。

「優香、昨日から何か変だよ。部活にも最近来ないし」
「ううん、大丈夫。何も変なことなんかないよ。今日は部活にもちゃんと出るから」
「そう、ならいいけど…」

 そのときチャイムが鳴ったので、話はそれきりで香織は自分の席へ戻っていった。

 それは最初考えていた以上の屈辱だった。最初は、そう、椅子に座ってじっとしていればどうにか耐えられると思っていた。しかしそれが間違っていた。椅子に腰掛けるだけでもうその短すぎるスカートは下着を隠すだけの長さを欠いてしまうので、授業中、優香は常に下着を晒していなければならなかった。

「おい見ろよ、あいつパンツ見えてるぞ」
「ホントか。お、白だ。田辺の白いパンティーだ」
「あれ絶対わざとよね。男子に見えるようにわざとしてるのよ」
「同じ女として最低ね。真面目そうな顔してきっと言われれば誰とでもエッチしちゃうのよ。あんた後でやらしてもらえば?」
「ば、ばかなこと言うなよ」

 そんな囁き声が後ろから聞こえるのだった。優香は恥ずかしくて授業どころではなかった。だから教師に指されたとき質問を聞いていなかった。

「答えがわからないならまだしも、聞いていなかっただと?」と言ってその教師は優香のスカートをちらと見た。「たるんでる証拠だ。罰としてそのまま立ってろ!」

 優香は自分に否があるのでおとなしく従おうとした。しかしそのとき彼女の真後ろの席の男子が言った。

「先生ぇ。前に立たれると黒板が見えないんですけど」
「ん、そうか?」
「はい、田辺さんのお尻しか見えません」

 教室中にクスクス笑う声が広がった。

「じゃあ、前に出て…」
「でも前に立たれると気が散って今度はみんなが迷惑すると思います」
「じゃあ、どうしようか…」

 するとその男子は意地悪く笑った。

「机の上だったら、大丈夫だと思います」

 誰もが耳を疑った。とりわけ優香は、それまで恥ずかしそうに俯いていた顔を思わず上げた。

「机の上に立つんだったら、黒板も見えるし、みんなの気も散らないと思います」

 優香は振り返って言った。「そ、それじゃ…」

「お前は黙ってろ!」という教師の怒鳴り声。「お前に決める権利はない!」そしてにやりと笑った。「先生は別にどちらでも構わん。みんなが授業に集中できるならそれでいい……どうだ?」と言って教室中を見回した。「反対のやつはいるか?」

 何人かの生徒が同情まじりの顔をしていたが、誰からも何の答えもなかった。というのも男子は当然、学校一の美人の呼び声高い優香の恥ずかしい姿を見たかったわけだし、仲の良かった女子たちも、日頃の嫉妬と今日の優香の短いスカートに対する同性としての反感から、少し懲らしめてやりたいという気持ちが働いていたからだった。

「じゃあ、みんな賛成のようだから、田辺、机に上がりなさい」
「そ、そんな…」
「早くしろ。授業を遅らせる気か。もし従わないなら、質問を聞かないうえ、授業の妨害をするということで成績はないものと思え。そんなやつに試験は受けさせられない」

 優香はそれでもまだためらっていた。その間にも時間は流れていく。

 と、そこへ彼女の携帯にメールが入った。彼女は机の下で即座に読んだ。開いて見るまでもなかった。教師の言うことに従えという命令だった。

 もう逃げ道はないと優香は悟った。

 
優香はゆっくりと、まず右足を椅子の上にのせた。前後から手でスカートを押さえて下着が見えないようにしていたが、股下5cmの短すぎるスカートでは下着の股間とお尻を隠せようはずがなかった。

「白いパンツみーえた」

 と一人の男子が言った。
「きゃあ!」
「おいうるさいぞ。黙って早く上れ。そんな短いスカート穿いてる方が悪いんだ。校則には長さの規定はないが、風紀を乱すような服装は認めておらんぞ。これ以上もたもたしてるとスカート没収するぞ…」

 優香はそれでしかたなく、左足も乗せて完全に椅子の上に立った。するともうそれだけで彼女の白いパンティーが、はっきり誰の目にも見えるようになるのだった。

「おぉ! もうパンツ丸見えだな」
「前からだと股間も見えるぜ」
「その黒いのは毛か? 毛が透けて見えるぜ」

 優香は恥ずかしさに生きた心地もしなかったが、まだそれで終わりではなかった。これよりもっと高い机に上がらなければならないのだった。

????????????????????????

 数分後、三年二組の教室で、クラス1の美人で成績も優秀な女子生徒、田辺優香が机の上に立っていた。邪魔にならないよう足は机の両端一杯に広げられ、左手に教科書、右手にペンを持っている。時折開け放した窓から風が入って彼女のスカートをめくったが、押さえることは許されていなかった。教室のどの位置にいても彼女の真っ白なパンティーを見ることができた。ある者は毛が黒く透けて見えると言い、またある者は股間がうっすら湿って染みになっていると言ったが、真偽のほどは定かでない。授業の残りの約十五分間、彼女はその姿勢のままずっと立っていたが、そのあいだ常に男子のなめ回すような視線が自分の股間に向けられているのを我慢していなければならなかった。

 終了のチャイムが鳴って降りていいと言われると、目に涙を溜めた優香はすぐさま教室を出てトイレへ走った。五分後戻ってきたとき彼女の目は真っ赤になっていた。

(いい気味ね)
(調子に乗ってるからこうなるのよ)
(ああ見えて案外楽しんでたんじゃない)
(今度話してやらしてもらおうかな)

 などとクラスメートは優香のことをそれぞれ考えていた。それは成績優秀、明るく美人でクラスの人気者だった優香のそれまでのイメージが崩れ落ちた瞬間だった。そしてたちまち、男の欲望と女の嫉妬が、いまや地に堕ちた優香に向かって牙を剥き始めるのだった。

それから一週間が経過した。

 優香は一日も休まず、あの股下5cmのスカートをはいて学校に通い続けた。

 その頃にはもう登校中に行き会う人々やクラスメートたちは優香のパンツを見ることに慣れっこになってしまった。いつも同じ電車に乗り合わせるサラリーマンやOLは、

(お、今日もまた白いパンツか)
(でも昨日のとちょっと形が違うな)
(よくもまあ毎日毎日、パンツ丸出しで平気で過ごせるものだわ)
(みんなに見られてさぞ嬉しいでしょうよ)

 などと優香のパンツを見て思い、それはいつしか朝の日常的風景と化していった。

 優香のクラスメートたちももう彼女のパンチラならぬパンモロには慣れっこになってしまって、男子たちは優香のパンツを見ただけではもう誰も興奮しなくなっていった。

「なんだまた白かよ」
「たまには赤とか黒とか違う色のパンツはいてこいよな、つまんねえの」
「そんなにケツ見せたいならもっとエロいパンツはいてくればいいのに、Tバックとか…」

 そして女子たちも、もう露骨な陰口を言ったりはしなくなったが、それは、話題にするのも汚らわしいといった優香に対する軽蔑の気持ちからだった。誰ももう優香のことを以前の真面目な優等生だと思っていなかった。今ではただ顔だけ真面目ぶった、露出狂の、変態女としか思わなくなっていた。

 そして男子も女子も、いつしか物足りない気持ちになっていった。男子は優香のもっとエッチな姿を見たいと思い、女子はいつかこてんぱんに懲らしめてやりたいと、だんだんと思うようになっていった。

 だが優香の方には、この一週間、新たな脅迫のメールは送られてこなかった。といってももう今のこのままの状態で充分優香にとっては死ぬほど恥ずかしいことだったが。以前は縞模様の下着や水色の下着など、割と明るい色の下着を好んで穿いた優香だったが、今ではもういつでも誰からでも自分の下着が見えることがわかっていたので、目立たない地味な白い下着しか穿けなかった。

 そして何よりつらいのは以前は仲の良かったクラスの女子たちが目に見えて自分を避けていることだった。親友の香織でさえ、話し掛ければ答えはしたが、その様子はどこかよそよそしく、もう以前のように気軽に話をするようなことはなくなった。

 
 その一週間後の体育のときだった。

 授業が始まる十分前。更衣室に女子たちがぞろぞろと入りこみ、体操着に着替え始めた。優香もいつもの通りカバンから体操着を取り出して、着替えようとしたが、両手にシャツを広げて不思議に思った。

「どうしたの?」とすぐ隣にいた香織が聞いた。
「あれ、私のシャツこんなに小さかったっけなあ」と首を傾げた優香は言った。
「気のせいじゃない?」
「そうかなぁ…」
「きっと洗濯して縮んじゃったんだよ」

 優香もやがて気のせいか、と思い、とりあえずシャツを着てみることにした。しかし着終えると、驚きの声を上げた。

「ほら、やっぱりこれ、小さいよ!」

 たしかにそれは変だった。優香がいつも着ている白い半袖のTシャツより明らかに小さかった。脇の辺りが窮屈で、胸も、バスト84センチの彼女にはかなりきつく、いつもだったら谷間の辺りに少し余裕が出来るはずなのに、今はピンと伸び切って、布が張り裂けんばかりになっている。しかもただでさえ生地が薄く、ブラジャーが透けやすいシャツなのが、今はさらに生地が伸びて薄くなり、体を反っているわけでもないのに、ブラジャーの色はおろか、形、模様までがはっきりと透けて見えていた。

「うそ! ちょっとこれ、え、なんで! 誰か別の人のを持ってきちゃったのかなぁ」
「いや、そんなことないよ。だって、ほら、ちゃんと名札ついてるから」

 と言って香織が指さしたシャツの胸には、たしかに自分の筆跡で「田辺」と書かれた名札があった。それを見たら優香も納得せざるを得なかった。

「やっぱり気のせいだよ。それとも優香、少し太ったんじゃない?」

 そう言う香織の冗談を、優香は引き攣った微笑で聞き流した。どこをどう見てもやっぱり小さい。胸の名札は小さすぎて透けたブラジャーを隠してはくれなかった。

「ねえ、そんなことより、早くしないともう時間ないよ」

 更衣室の時計では授業開始三分前だった。だがこんなところの時計の示す時刻なんて当てにならない。もういつチャイムが鳴ってもおかしくない。生徒はチャイムが鳴るまでにはきちんと整列していなければならず、遅れるとひどく怒られ、厳しく罰せられるのだ。

「うん、ごめんね。すぐ着替えるから」

 もう迷っている暇などなかった。優香はスカートをさっと脱ぎ、下着姿になった。小さめの白のパンティー。そしてカバンから紺のブルマーを取って足に通した。と、すぐにまた違和感があった。

「うそでしょ…」そう呟いた優香の声は震えていた。シャツに続いて、ブルマーまでもが、小さすぎた。それは優香が普段穿いているものより明らかにワンサイズ以上小さかった。しかもその普段のブルマーでさえ入学当時に買ったもので、三年になった彼女には小さくなってきていたというのに、しかし今彼女が穿いたそれは、小さくなってきたどころの話ではなく、明らかに中学生、いや小学校の高学年用のものである。だから当然、高校三年、もう二十歳と思われてもおかしくない彼女の発達したお尻にはキツすぎた。柔らかいお尻の肉が、指で摘めるほどはみ出してしまっている。

「ねえ、本当にいい加減にしてよ。もうチャイム鳴っちゃうよ」

 香織も異変に気付いたのだが、それよりも遅れて罰を受けるのが嫌だったのである。

「でも、こんなんじゃ、行けない!」

 優香は泣き顔になって言った。今日は女子だけの体育の授業でない。男子と合同の授業だったのだ。こんな格好をして行けば、男子たちからだけでなく、女子たちの注目の的にもなり、わざと小さめの体操着を着て男子の注目を集めようとしていると思われてしまうかもしれない。なぜなら昨日も体育の授業があって、そのときは普通の体操着を着ていたのが、どうして一日経って突然こんな小さな体操着を着てくるのか、他に理由が見つからないからだ。ブルマーは学校の校章の入った特別なものだから、小学生のときに穿いていたブルマーを間違えて持ってきてしまった、などという理由は通用しない。

「ほら、早く! たぶんもうあと一分もないよ」

 香織は本気であせり出した。そして、

「もう、遅れても知らないからね」

 と言い残して立ち去ってしまった。

 
優香は更衣室を出て、鍵を掛けると、廊下を急いで走り出した。走るとただでさえはみ出してしまっているお尻の肉が、さらにはみ出る。Tバック気味に食い込んだブルマーがさらにきつく食い込み、鋭角に尻の奥へと吸い込まれる。大きな乳房を包み込んだシャツがはち切れんばかりに張って、上下左右に柔らかく揺れる。

 もう迷っている時間はなかった。授業に遅刻などすれば、どんな罰が待っているかわからない。

「あと十メートル… あと五メートル…」

 もうあとほんの数歩で体育館へ到着するところだった。チャイムはまだ鳴っていない。とにかく間に合ったと思いホッとしたところで、後ろから突然優香を呼び止める声がした。

「おい、ちょっと待て!」

 体育教師の田崎だった。優香は心臓を飛び出るほど驚き、立ち止まった。

「こっちへ来い!」

 という田崎の声に、優香はおとなしく従った。田崎はもう五十に近い年で、頭は禿げていて、体も腹が出て醜かった。近寄ると変な臭いがすると生徒たちに噂されていた。田崎は目の前に立った優香の体を上下見回していた。優香は恥ずかしさに顔を真っ赤にした。

 田崎が言った。

「ほれ、シャツをきちんとしまえ」

 優香は、なんだそっちのことかと思ってほっとした。小さすぎる体操着のことを注意されるのかと思っていたのだった。で、優香は言われた通りにシャツをブルマーの中に入れようとした。だが、ここで困ったことがあるのに気がついた。
 シャツの丈が短すぎるのと、また同じくブルマーの丈も短く腰の低いところではかざるを得ないということで、シャツの裾がブルマーに届かないのだった。優香はシャツの裾を引き伸ばして何とかブルマーのウエストに入れようとしたが、シャツの生地の伸縮性のせいで、入れたと思ってもまたすぐに戻ってしまう。

「どうした? 早くしろ!」

 と田崎が急かす。その声を聞いたのか、体育館の中の生徒たちの顔が一斉に振り向き、扉の向こうにいる優香と田崎の様子を窺い出した。

「おい、何もたもたしてるんだ!」

 徐々に苛立ってきた様子の田崎の口調に、優香は恥ずかしそうに俯いていたが、やがて消え入るような声で言った。

「あの、シャツが…小さくて…入らないんです」

 すると田崎は優香の腰をまじまじと見つめた。たしかにシャツの丈が短くて腹が少し見えそうになっている。明らかに小さい、と田崎は思った。それに穿いているブルマーも、普通以上にハイレグの鋭さを増して、股間が窮屈に締め付けられている。いかにも卑猥な格好だった。シャツも午後の日差しにいっそう透かされて、ブラジャーの輪郭がはっきりわかる。田崎はしばらく考え込んだ。そしてその間に授業開始のチャイムが鳴った。体育館にいる生徒たちは、男子も女子も、みんな様子を窺っていた。やがてようやく田崎が口を開いた。

「だが、規則は規則だ。体育の授業を受けるときはシャツを入れないといけないことになっていること知ってるな?」

 田崎は典型的な石頭だった。決められたルール以外のことは理解できない、いや、しようとしない。

「はい…」と優香が小さく答える。
「だったら規則には従わなくてはいけない。でないとお前一人のわがままでみんなが迷惑することになるんだ」

 そう言って田崎は腕時計を見た。

「現に今も、お前一人のせいで授業が三分も潰れている」
「でも…」

 でも無理なものは無理だと、そう優香は言おうとしたが、そのとき、それを遮って発した田崎の言葉は衝撃的なものだった。

「なに、簡単なことじゃないか。シャツが短くて入らないなら、ブルマーを引っ張り上げれば入るだろう」

 本気か冗談か優香には理解できなかった。たしかに田崎の言う通りにすればシャツは中へ入るだろう。だがもしそんなことをすればブルマーはさらにハイレグの角度を増し、お尻はほとんど丸出しの状態になってしまう。優香はそれを想像するだけで恥ずかしくなり、顔だけでなく露出した白い太股まで真っ赤になった。

 優香はとてもそんなことはできないと思い、俯いたままもじもじして黙っていた。しかしその様子が、田崎には反抗的な態度に見えたのだった。

「おい、お前俺の言うことが聞けないのか?」
「いいえ、でも…」

 優香は震えていた。言葉が何も出なかった。その態度にとうとう田崎の勘忍袋の緒が切れた。

「じゃあ、仕方がない」と言い、突然両腕を優香の腰目掛けて伸ばしてきた。

「え、ちょっと、何するんですか!」
「自分ではできないらしいから、俺が手伝ってやる。指導の一貫だ」

 そして両手でブルマーのウエストを掴んだ。一瞬のことで優香は抵抗できなかった。ブルマーを掴んだ田崎の両手がいきなり強く上へ持ち上げられた。

 体育館の中でざわめきが起こった。突然外から「キァー!」という女の悲鳴が聞こえたからだった。その悲鳴によってそこにいる生徒のすべての視線が一斉に開け放たれた扉の奥に向けられた。

「あれ、優香じゃない?」とそこで始めて気付いた女子が言った。
「でも、なんか変じゃない? その…ブルマが」と別の女子が言った。
「お尻が丸出しだよ…あたし一瞬何にも穿いてないのかと思った…」

 
それは異様な光景だった。扉のすぐ外にこちらに背中を見せて立っている優香の姿があった。しかしそれはみんなが以前思い描いていた明るく清純な彼女のイメージとあまりにも掛け離れた姿だった。ボディラインのはっきりわかる、肌の色まで透けて見える体にぴったりした体操着のシャツを着て、小さすぎるブルマーをはいている。それはブルマーではなく黒いふんどしなのではないかと一瞬思わせるほど、彼女のお尻、というより尻の割れ目に食い込んで完全に尻の丸出しになったTバックになっていた。その大きな白いお尻が日差しを浴びている。日焼けした顔や腕に比べてそのお尻はいかにも白く、血の回りが良いのかほんのり赤みを帯びている。引き締まった足とは対象的に彼女のお尻は柔らかい肉がついていて、女性的に突き出ていた。それは見ていていかにも異様で、また卑猥だった。

 ずっと前から見ていてその事情を知っているらしい一人の男子が説明した。

「なんか、小さすぎてシャツがブルマの中に入らないとか言って揉めてて、田崎が引っ張り上げて無理矢理入れさせて、今のあの状態になったらしいぜ」

 それを聞いて女子たちの間にかわいそうという声がしばらく起こったが、やがて誰かが、

「でも、何でそもそもあんな小さい体操着きてきたんだろう?」

 と言ったとき、するとそれまで囁かれていた同情の声が急になくなった。

 沈黙がしばらく続いた後で、一人が「香織ちゃん、何か知ってる?」と聞いた。
 香織は自分は知らないと答えるだけだったが、別の女子が「誰かに借りたやつなのかなあ」と言うのを聞くと「いや、ちゃんと名札に名前書いてあったから、自分のらしいよ」と断言した。

「じゃあ何でわざわざあんなちっちゃいの買ったんだろう?」
「さあ、でも急に小さいのが着たくなったんじゃない? ほら、特に今日は男子と一緒の授業だから……」とそのとき一人の女子が冗談ぽく言った。

 すると今まで話していた声が一斉に静まり返った。

 もうその言葉だけで充分だった。みんなの頭の中に、嘘のような優香の姿、つまり、男子に見せびらかすためにわざと小さな体操着を自分で買って、それを実際に着てくるというイメージが、いつしか本当らしく思えてきたからだった。

 そして沈黙のうちにクラスメートたちの顔がみるみる変わっていく。さっきまでいくらか同情を込めて優香を眺めていた女子たちの眼差しが、徐々に、冷たい軽蔑の視線に変わっていくのだった。

 
優香と田崎が話しを終えて、体育館に入ってきたのは授業開始10分が過ぎた頃だった。優香は俯きながら田崎の後ろについて歩いて、生徒の列には加わらず、生徒の前に立った田崎の横に来て止まった。そのすぐ目の前の、最前列の男子は優香の姿を見てはっとなった。

 ブルマーの中へ無理矢理押し込まれたシャツは、生地が伸びきって、白いブラジャーを鮮明に透かしている。また両端を高く引き上げられたブルマーは、デルタの縁にそって鋭角に切れ上がっていた。そのため、支えとなる股の部分に非常な圧力が加わり、恥丘の盛り上がりを際立たせて見せていた。そして、その真ん中に縦に走る一筋の線。その線が、彼女の女性器の位置をはっきりと示し、誇らしげに自己主張しているようだった。顔は俯いてしまっているのでよくわからなかったが、普段の明るくハキハキしたところは微塵もなくなっていて、反対に大人びたエロティックな雰囲気を漂わせていた。男子生徒の誰もが息を呑んで優香の胸の膨らみや股間や俯き加減の顔の表情を、つまり彼女の女性的なすべての個所にくぎづけになった。

 やがて田崎が口を開いた。

「えーと、これから授業を始めるわけだが、その前に、今ちょっとした事故があって、開始からもう10分が過ぎている。それについて田辺から話しがあるらしいから聞いてくれ」

 そう説明すると、田崎は横にいる優香の方をちらと見た。そして小声で、ほら、みんなに謝るんだ、と言ったのが静寂の中に響いた。

「あの…」とやがて優香が言った。が、そのとき田崎が怒鳴った。

「それは謝る態度じゃないだろ! ちゃんと気をつけをして、顔を上げて、みんなの方を見て謝るんだ」

 優香は前で組んでいた手を外して、気をつけの姿勢を取った。太股の側面にきちんと掌を当てて、指の一本一本がぴんとまっすぐ伸びている。顔も上げて真正面を向いたが、視線は定まらず、誰とも目を合わせようとしなかった。

「よし、じゃあ始めろ」と田崎が言った。

「あの…今日は私のせいで大事な体育の授業を10分間も潰してしまいました。それというのも私がブルマーの中にシャツを入れなければいけないというこの学校の規則を守ろうとしなかったからです。でも、田崎先生の指導とシャツを入れるのを手伝っていただいたおかげで、私は心から反省し、シャツを入れることができました。ですから、授業を遅らせてしまったことについて、みなさんに謝りたいと思います」

 そして優香は深々と頭を下げた。「すみませんでした」

「な、こう言ってるんだから、みんな彼女のことを許してあげろよ」

 田崎は満足げに言った。そして、

「いいな、体育のときはシャツを入れる。こういうふうに」と言って優香の腰を示した。

「シャツが短くて入らないときは、ブルマーを引っ張り上げて入れるんだ」

 そして今度は優香を後ろ向きにさせた。優香は逆らえず、黙って後ろ向きになって、気をつけの姿勢を崩さなかった。だがその顔は真っ赤になっている。背後から見ても首や耳が赤くなっているのは一目瞭然だった。

「な、後ろをこうやって」と田崎はTバックに尻に食い込んだ紐状になったブルマーを摘んで、引っ張りあげた。すると優香は尻に思わず力が入り、真っ白な柔らかい肉が固くなって盛り上がった。

「な、こうすれば、入れられる」

 そして今度は、あろうことか、優香の尻を掌で軽くぴしゃりぴしゃりとたたき出した。彼女の柔らかいお尻の肉は叩かれるたびに細かく振動する。

「でも」と田崎は尻を叩きながら言った。それはむしろ叩くことよりも、その音をみんなに聞かせることを目的としているみたいだった。「でもな、そうなると俺がいま叩いてるのは足だ。(ぴちゃ、ぴちゃ)なぜなら女子生徒のはくブルマーというものは、尻と性器を隠すために着用するものだからだ。だから、それより下の部分は足、上は腹ということになるわけだ。だからいま俺が触っているのは足だ」

 といって今度は叩くのを止め、尻をまともに触って揉み出した。

「お前、たしかテニス部のキャプテンなんだろ?」

 優香は涙声で「はい」と答えるだけだった。

「だったら、ちょっと鍛えかたが足りないな。テニスは足を鍛えなきゃ強くならんぞ」

 といってまたさらに激しく優香の尻を揉み回した。それを見ていた男子は全員、股間を固く膨らましていた。女子はまだいくらか同情の眼差しで優香を見ていたが、何人かは、実はあんなことをされて内心喜んでいるのではないかと、探るような目で見ていた。

「ほれ、足のマッサージだ。気持ちいいだろ?」

 田崎は非常に満足げだった。優香は気持ちいいとも悪いとも答えなかった。ただ頭の中で、どうしてこんなことになってしまったのか、自分の行動のいったい何が間違っていたのかと考えるばかりだった。

しんと静まり返った体育館の中で、優香の尻を、揉んだりぴちゃぴちゃ叩いたりする、その音だけが、悲しく響き渡っていた。

 
体育の残りの時間、優香は罰としてウサギ跳びを命じられた。クラスメートが楽しくバスケをやっている回りを、一人お尻丸出しの状態でウサギ跳びをしなければならないのだった。ただでさえ食い込んでTバックになっていたブルマーは、ジャンプするごとにまた激しく食い込み、やがてブルマーから下着がはみ出てしまった。

「お〜い田辺、ハミパンしてるぞ」

 男子の一人が優香をからかう。

「きゃあ!」

 そう叫んで優香はすぐ直そうとしたが、そのとき田崎がやって来て怒鳴った。

「誰が止まっていいと言った!」

 そして四つん這いになった優香のはみ出た尻を手で思い切り叩いた。ぴしゃッ! という乾いた音が体育館中にこだました。

「休まないで続けろ…ん、いや、ちょっと待て。ほらまたシャツが出ているじゃないか!」

 と言うと田崎は、四つん這いになった優香のブルマーを後ろから思い切り引っ張り上げた。それは一瞬優香の腰が宙に浮いてしまうほどの強さだった。

「うん、これでよし。では続けろ!」

 そしてまた優香の尻をぴしゃりと叩いた。

 優香は再びウサギ跳びを始めたが、その真っ白なお尻には真っ赤な掌の跡が残っていた。

「お〜い優香、お前のケツ真っ赤だぞ」
「それにすげぇTバック…ケツの穴見えるんじゃないか」
「そんなに大股ひらいて跳んでたらアソコもはみ出しちゃうよ」

 男子たちはバスケもそっちのけでウサギ跳びする優香のことをからかった。

 女子は軽蔑の眼差しで優香を見ていたが、直接からかいはしなかった。その代わり、あるとき一人がわざとパスを逸らして、ちょうど優香がウサギ跳びをしている方向の、そのもっと向こうにボールを転がした。

「優香ちゃん、ごめん、ボール取ってくれない?」
「え?」
「優香ちゃんが一番近いでしょ。一番近い人がボール取りに行くのが常識でしょ」
「う、うん…わかった」

 そこで優香は立ち上がってボールを取りに行こうとしたが、そのときまた田崎が怒鳴った。

「誰が歩いていいと言った! 授業が終わるまでウサギ跳びをやめるな!」

 だから優香はウサギ跳びをして、体育館の隅に転がったボールを取りにいった。
 そして近づきもせずコートの中に立って待っている女子の群れの前に行ってボールを渡した。しゃがんだままの状態で、立っているクラスメートの女子にボールを渡さなければならないのは屈辱的だった。

「ありがと」

 ボールを受け取った女子は冷たく優香を見下ろしながらそっけなく言った。

 そんなことが何度も繰り返された。

 やがて男子の方でも真似をしだしてわざとパスを逸らせて優香に取りに行かせた。そうすることで優香のお尻を間近で見ることができるからだった。

 こんな調子でこの日の体育は続けられた。疲れてちょっとでもつまずいたりすると田崎に容赦なく尻を叩かれた。授業が終わる頃にはもう彼女のお尻は両側とも一面真っ赤になっていた。

????????????????????????

ようやくこの日の長い体育の授業が終わった。優香はへとへとになって、疲れた足を引きずりながら更衣室まで帰っていった。

 と、着替えを始めようとして鞄を開くと、中に体操服とブルマーが入っているのに気がついた。(さっきあれだけ探したのに!)それはどちらも普通のサイズの、つまり見慣れた優香自身のものだった。

「なに、ちゃんと持ってきてたんじゃない」

 その様子を見ていた女子がすかさず言った。

「違うの、さっき探したときは、本当に…」

 しかしもう誰も優香の言うことを信じなかった。

 
(もう無理…こんな生活、耐えられない)

 体育の授業の後、教室に戻った優香は思った。

(これじゃ写真を見られたほうがマシよ)

 優香の心はすでに限界に達していた。もうどうなってもいい、放課後スカートを買って明日からまた普通の生活に戻ろうと心に誓ったのだった。

 だが放課後、掃除を終えて、購買へスカートを買いに行こうとすると、携帯が鳴った。メールだった。

「最後の命令です。これをクリアすればもうあなたを脅したりはしません」

 とあった。そして続いて二通目のメールが来た。

「実験室に来てください」

(ホントに、ホントにこれで最後なのね)

 優香には信じられなかったが、しかし目の前に現れた希望の光に飛びつかずにはいられなかった。とにかく実験室に行ってみることにした。

????????????????????????

 一週間前に訪れた実験室。今日もそこには誰もいなかった。優香は中に入ると、無意識のうちにこの前紙袋の置いてあった窓際のテーブルの方へ向かっていった。

「おい、あいつこんなところで一体なにをするつもりなんだ?」

 ドアの隙間からこっそり覗いていた山田が囁いた。近頃優香の様子がおかしいと、友人を誘って後をつけてきたのだった。その中には心配そうに見守る香織の姿もあった。

「さあ、誰か人と会うのかな?」
「こんなところで?」
「告白でもするんじゃね?」
「そしてそのままキスってか…」
「そんでそのままセッ…」「ちょっとあなたたちなに言ってるの! やめて!」

 香織は顔を真っ赤にしながら連れの二人に注意した。

「なんだよ、怒るなよ。もしかしてお前まだバージンなのか?」

 香織は何とも答えなかった。

「あ、そうなんだ。なあ、そうなんだろ?」
「関係ないでしょ! そんなこと…」

 確かにその通り香織は処女だった。だから香織は、そういう話題を耳にするだけで顔を真っ赤にして恥ずかしがり、嫌悪の念で心を一杯にするのだった。

????????????????????????

 と、そうこうしているうちに、クラスメートに覗かれているとも知らない優香は、緊張の面持ちで次のメールが来るのを待っていたのだが、やがて待つほどもなくメールが来ると優香はどきどきしながら読み出した。

「よく来てくれたね。本当にこれで最後だから、心配しなくていいよ。あなたがちゃんと命令通りにしてくれたら、もうこんなメールは送らないから。わかったらその場で頷いてくれるかな」

 優香はその通り頷いた。するとすぐ次のメールが届いた。

「よし、お利口さんだ。じゃあまず、その場で全裸になってもらおうかな」

「えっ?」
「三分以内だよ、では始め」

 優香はその場で気が遠くなった。携帯の画面を茫然と見つめたまましばらく身動きもできなかった。

身動きもできないまま、何分かが過ぎた。

 優香が我に返ったとき、果たしてどのくらいの時間が経過したのか、自分ではわからなかった。

 が、そのとき窓の外を見てハッとした。

 校門に人が立っている。ポスターを持った、ジャージ姿の人間が。そしてゆっくりと、ポスターを広げて、門の柱に貼り出した。

「いやっ!」

 まだジャージの背中に隠されてポスターの表面は見えなかったが、その側を何人もの生徒たちが通っていく。

「いやっ、やめて!」

 そして優香は思った。

(もう、やるしかないのね…)

 まずゆっくりと、上のセーラー服を脱いでいった。

「おいおい、あいつ脱ぎ出したぞ」

 ドアの隙間から窺っていた山田が囁いた。

 次にスカートを、床にすとんと落とした。これで完全に下着姿になった。

「やっぱり露出狂だって噂は本当だったんじゃないか?」

 続いて一瞬ためらった後で、優香は背中に手を回すとホックを外し、白いブラジャーを、その豊かな胸から取り去った。ピンク色の小さめの乳輪。つんと立った乳首。激しい息遣いのたび、優香の柔らかいおっぱいは小さく揺れた。

「………」香織は先程からずっと黙っていた。が、その顔は見るからに嫌悪の表情に変わっていた。

 続いて、最後に、優香は手を腰にやり、自分の白いパンティーを、ゆっくり下におろしていった。

 まだ教師に叩かれた赤味の残る、肉付きのいいお尻が現れた。また縦に走る割れ目もあらわになった。

 パンティーを爪先から抜き去ると、これでとうとう完全な裸になった。ひと気のない実験室とはいえ、学校の教室で、田辺優香は全裸になったのだ。

「やべぇ、おれ勃起してきた」
「俺もだよ。あいつの胸、予想以上にでかかったんだな」
「………」

 優香は全裸になるとすぐ両手で胸と股間を隠し、再び窓の外を見た。校門のあの人間とポスターは、すでに消え去った後だった。

 西日が優香の裸を余すところなく照らしていた。

 
 こうして優香はついに教室で素っ裸になった。

(もうこれでいいでしょ…勘弁して)

 が、それから三分経っても次のメールは送られてこなかった。

(なに、どうして…どういうこと?)

 またしばらく待っていてから、ようやくメールが来た。

「優香ちゃん、うっかりさんだね、上履きと靴下脱ぐの忘れてるよ。でもいいや、本当は両方とも脱ぐまで待ってようと思ってたんだけど、見てるうちに何だかこっちの方がよくなってきゃった。だからそのままでいい。」

 たしかに、全裸に紺のハイソックスというちょっと違和感のある格好は、かえって生まれたままの全裸より、惨めで卑猥な姿だった。

「じゃあ、次に今から一分以内に、その全裸の姿のまま、廊下に出るんだ。ただし手で胸やアソコを隠しちゃいけないよ。ちょっとでも隠したらやり直しだからね」

 優香は愕然とした。

(このまま…教室の外へ?…)

 ドアの向こうでは依然としてクラスメートの三人が、ついこの間まで優等生という評判のあった優香の奇行をのぞき見ていた。

「俺この前までは田辺のこと好きで告白しようかと思ってたんだけど、やっぱりいいや、あんな変態」
「俺も前から付き合いたいと思ってたけど、今はこっちの方から勘弁だよな」
「でも、やるだけならいいな…」
「だよな…言えばやらしてくれるんじゃね?」
「………」

 香織はそんな男子二人の話などもう耳に入っていなかった。心の落ち着きを失って、ただ一心にドアの向こうの優香の姿を、睨みつけるように見ているだけだった。もう香織は優香を親友とは思わなかった。露出狂、変態、ヤリマンなど、今まで自分の使ったことのない名称で、優香のことを思うのだった。

「おい、逃げろ! こっちに来るぞ」
「マジかよ、あの格好で出るのかよ」

 事実、そのとき全裸の優香がドアに向かって歩き出してきた。自分の裸を隠しもせず、揺れるおっぱい、うっすら生えた下の毛を晒しながら、ドアに真っすぐ向かって来るのだった。

 間一髪、三人は廊下の角を曲がって隠れることができた。そしてまたそこから観察を続けた。

 優香は廊下に出ると次のメールを待った。手で胸を隠すことができないので死ぬほど恥ずかしかった。誰かに見つかってしまうかもしれない。あるいは自分のクラスメートに… 優香の頭に香織の顔が思い浮かんだ。今では友達といえるのは彼女一人だけだった。

(もしこんなところを香織に見られたら…そうなったら私、もう生きていけない…)

 優香は本当にそうなった場面を想像して、胸の先まで真っ赤になった。

 と、そこへ次のメールが来た。

「よし、いい子だ。胸を隠さなかったね。もし誰か人に会っても、隠したりしたらいけないよ。隠したらその地点でアウトだからね。では、次にそこから突き当たりまで行って、非常階段に出てもらおう。」

(そ、そんな…非常階段って…それじゃ…外に出るってことじゃない)

 人が使うことはないとはいえ、たしかにそれは校舎の外だった。上履きと靴下だけの全裸の格好で屋外へ出るなんて、見つかれば…いやそもそも法律違反、つまりは犯罪だ。

 しかしもう優香にはやるしか道は残されていなかった。

 決心して、廊下の突き当たりまで行くと、階段へ続くドアをおそるおそる開けた。

 どうやら人はいないようだった。が、一歩外へ出るともう遠くから部活中の生徒たちの掛け声が微かに聞こえてきた。

 風が優香の裸に冷たかった。毛が揺さぶられ、股間をひんやり撫でられるようだった。

 メールが来た。

「よし、じゃあそのまま一番上まで上るんだ。」

 優香はもうためらわなかった。早く済ませてしまうことが唯一の解決策だともう諦めてしまったからだった。

 石造りの螺旋階段。外側に高さ1メートルほどの囲いがあるとはいえ、囲いの上からは周囲がはっきり見渡せた。校門、グラウンド、プール、テニスコート… 校門はまだたくさんの生徒達が下校中だし、テニスコートでは仲間の部員達がもう練習を始めていた。

 優香は、低く身を屈めて囲いの内に隠れながらゆっくり階段を上っていった。

「田辺のやつ、全裸で階段なんか上って…次は何をするつもりだろう?」

 三人のクラスメートも階段に出て優香の後を追っていたのだった。

「さあ、俺には見当もつかない」
「おい見ろよ、ここからだとお○んこまる見えだぞ」「ホントだ、田辺優香のお○んこだ…」

 香織もそれを見ていた。というより、階段を上へ行く優香を追う関係上、嫌でも目にしてしまうのだった。低く身を屈めながら優香は上っているので、自然お尻は突き出され、開かれた二つの穴が下から丸見えになっているのだった。

(最低、最低、最低…)

 と香織は心の中でさっきからその言葉ばかりを繰り返していた。

 やがて一番上へ着いた。優香は身を屈めたままの姿勢でメールを待った。

「着いたね。では今からその階段の手摺りに跨がるんだ。もちろん外側のね」

(いやっ! それだけは絶対にいやっ!)

 優香がそう思うのも当然だろう。いくら高くて目立たない階段の最上階といえ、見ようと思えば下からはっきり見上げられるところなのだから。

 さすがの優香もこれだけは無理だった。泣き顔になりながら、じっと階段に立ち止まったままだった。

 するとすかさずメールが来た。

「もたもたしてると人を呼んじゃうよ。階段に不審人物がいるって」

 その瞬間、優香の心の中で何かが崩れ去った。もうよく物を考えられなくなっていた。彼女はまるで操り人形のようだった。

 階段の丸い銀の手摺りを掴むと、優香は片足を大きく上げて跨がった。金属性の細い手摺りが優香のアソコに冷たく食い込んだ。下を見下ろすと制服や運動着姿の生徒たちがはっきり見えた。顔を上げる者はまだ誰もいなかったが、もうすでに誰かから見られているかもしれないと思うと気が気ではなかった。

 優香は手摺りに股間を食い込ませて跨がったまま次のメールを読んだ。

「うわぁ、ホントにやったんだ。もうこうなると言い逃れできないね。お前が露出狂だってことに。ここからよーく見えるよ。お○んこ食い込ませて悶えてるお前の姿が。」

 優香は一瞬どきっとして辺りを見回したが、それらしい人物は見分けられなかった。だから諦めて続きを読んだ。

「そしたら、もうこれで最後。後は簡単だ。そのまま腰を動かしてオナニーするんだ。前後左右にお○んこをこすりつけて、手摺りをびょびょに濡らすんだ。終了のメールがあるまで続けるんだよ。ごまかしたりしたらいつまで経っても終わらないからな」

 優香は携帯を閉じると地面に置いた。そして手摺りに跨がったままの姿勢で、しばらくのあいだ声を立てずに泣いていた。

 先程から一階下の曲がり角から優香の行動を観察し続けていた三人は、優香が階段の手摺りに跨がったとき、一様に言葉を失った。てっきりそこから飛び降りるんじゃないかと思ったのだった。が、それからすぐ、そうじゃないということに気付くと、今度はまったく別の意味で言葉を失った。

 頭をむこう向きにして、上半身を低く曲げて手摺りに跨がっている優香の尻は、三人の位置からだとはっきり見えた。いわば股間で手摺りを挟んで四つん這いをしている体勢なので、大きく開かれたお尻の穴や、手摺りとアソコの密着部分も細かいところまで見えるのだった。そしてそのはっきり見える優香のアソコが、あるときゆっくり動き始めたのだった。前後左右に、金属の棒に自分の性器をこすりつけて、それは明らかにオナニーをしている光景だった。

「おい、とうとうオナニー始めちゃったぞ」
「これが目的だったのか」「ほら手摺りがだんだんと濡れていくぞ」
「お○んこはもうぐちょぐちょだ」

 そう言う二人もそれを見ながらズボンの中でいつしか手を動かし始めていた。

 優香は最初はおそるおそる、ゆっくり腰を動かしていただけだったが、それでは少しも濡れないのと、あと自分で意識はしなかったが徐々に気持ちよくなってきたため、次第に激しく腰を動かし始めた。今年で18才になるがまだ処女の、実はまだオナニーさえしたことのない、それは優香にとって初めての快感だった。

「あ、うぅん…あ」

 優香は次第に理性を失って、性器の快感の命ずるがままに腰を動かしていった。慣れない感触に優香のアソコはすぐに敏感に反応し、やがてびっしょりと手摺りから滴り落ちるほどの汁が溢れ出すのだった。しかもまたそこの手摺りには、あらかじめ媚薬が塗り付けられていて、それがさらに優香のうぶなお○んこを刺激したという具合だった。

 こうしてもう我を忘れて自慰に耽り、やがて絶頂に達して気を失いそうになったそのとき、地面に置いた携帯が震えてメールが来た。

「お楽しみ中のところ悪いんだけど、一つ忘れてたことがあった。もうこんな時間で、今から部活には行けないだろうから、誰か友達に電話しとかないといけないよ。もちろんオナニーしたままでね。少しでも休んだら人を呼ぶからね」

(あ、ぁん…電話?…友達?…)

 優香はもう冷静に考える力を失っていた。だからメールを読むと、腰をいっそう激しく揺り動かしながら、ただちに香織の携帯へ電話をした。

 その優香のこれまでの様子をずっと下から睨むように見ていた香織だったが、そのときポケットの中で自分の携帯が震え出したので我に返った。見るとそれは優香からだった。いま自分の目の前で恥ずかしげもなく階段の手摺りに股間をこすりつけている、昔の親友の優香からだった。

「もしもし…」

 香織は場所を移しもせず、冷たい口調で言った。快感に没頭していた優香は下から聞こえてくる香織の生の声に気付かなかった。二人の男子は相変わらず自分たちの快感に没頭していたので香織が電話しだしてももうお構いなしといった様子だった。

「か、香織ぃ?…んんぅ…あのね、あたし、いま急に体の調子がおかしくなっちゃって…あ、ぁん…だから、今日は部活には行けないや、ごめんね…ぁ、んんぅ」

 香織はこれまで何とか我慢して自分を抑えていたのだったが、このとき、この優香の言葉を聞いてついに怒りが爆発した。電話を繋いだ状態にしたまま、コツコツと階段を上っていき、優香が全裸で手摺りに跨がって腰を振り動かし続けている前まで来て止まった。

 優香は目の前に立つ香織の姿を、一瞬信じられなかったようだった。けれども、やがて本当に香織がいるのだと気付くと、もう完全に取り乱した声で言った。

「香織…違うの、これは…」

 しかしそう言っている間も、止めてはならないという命令なので腰を動かし続けていた。

 香織はもう動物を見るような、軽蔑しきった目でしか優香のことを見なかった。

 手摺りからまた新たなしずくが地面に滴った。

「最ッ低!」

 香織は電話越しにそう言い、電話を切ると、そのまま走って階段を降りていってしまった。

 下にいた二人の男子も、優香に気付かれたと見るや走ってどこかへ消えてしまった。

 命令終了のメールがあったのはそのすぐ後のことだった。実験室に戻って服を着た優香は、しばらくの間、床に泣き崩れて立ち上がれなかった。

 この日からもう学校の中に優香の味方は一人もいなくなった。翌朝、教室に入っておそるおそる香織に挨拶すると、香織はちらと冷たい視線で睨み付けただけで、無視して新たに加わった女子のグループの方へ行ってしまった。

 もう誰も優香に話し掛けようとしなかった。昨日の非常階段でのことは、しかしまだ伝わっていないらしかった。それは香織が固く口止めして、あの二人の男子に、ばらしたらあんたたちがオナニーしてたことを言うよと脅したからだった。

 しかし香織が口止めしたのは優香を守ろうとしてではなかった。裏切られた友情は、以前の絆が強かったぶん、いまやそれと同じ強さの憎しみに変わったのだった。

 昼休み、優香が教室の隅で一人で弁当を食べていると、そこへ香織がやってきて言った。

「今日、放課後部室で緊急ミーティングがあるから、絶対に来るんだよ」
「うん、必ず行く…でもなに、こんな時期に。試合はまだだいぶ先だし、合宿だって…」

 しかし香織は何も答えず無視して向こうへ行ってしまった。

????????????????????????

 放課後、女子テニス部の部室には、緊急ミーティングのために一年から三年まですべての部員が集められた。しかしそのうちの誰一人として、何が行われるかを知っている者はいなかった。

 やがてキャプテンの優香を含めた部員全員が集まると、副キャプテンの香織が前に出て、口を開いた。

「今日集まってもらったのは緊急にみんなで話し合わなければならないことがあるからです。というのも、それは、最近の我が部のキャプテンの振る舞い、および生活態度について議論すべきだと思うからです」

 香織はそう言うと優香の顔を睨み付けた。

「みんなも知っている通り、ここ数日の彼女の態度はひどいものです。何日も無断で練習をさぼり、そのくせ理由を説明しもしません。また、恥ずかしげもなく下着が見えるほどの短いスカートをはいてきて、クラスの、いや学校中の男子を汚らわしく誘惑しています。下着を見られて恥ずかしがるどころか、かえってそれを喜んでいるしまつなんです。こんな人が私たちのキャプテンでいいのでしょうか? こんな恥知らずな女がキャプテンだなんて他の学校に知れたら、部の名誉と伝統は丸潰れ、部員の私たちまで同類扱いされてしまうでしょう…」

 香織はここで一息つき、優香の方を見た。優香は部員の視線をさけるように顔を俯いていた。

 それを見た香織はにやっと笑った。そして再び口を開いた。

「よって私はここで提案します。田辺さんのキャプテン退任を。また、部の名誉と評判を著しく傷つけた罰として、今後彼女に新入部員以下として、0からやり直してもらうことを」

 香織の思いがけない提案に、部員たちはしばらくのあいだ黙って何とも答えなかった。が、やがて三年女子の一人が言った。

「賛成です。たしかにここ最近のキャプテンの態度は目に余るものがあります」
 すると続いて別の三年部員が言った。

「私も賛成です。こんな人がキャプテンだなんて、私恥ずかしくて耐えられません」

 そして次々に他の三年部員たちが賛成の意を表わすと、やがてこれまで遠慮して黙っていた下級生までが賛成の声を上げだした。

「賛成です。だって最近うちの部のことクラスの男子が、変態テニス部って呼んでるんですよ」
「こんなパンツ丸出しの恥さらしなキャプテンの命令なんて聞けません」
「一年生だってこんな人と一緒にされたらかわいそうだから、副キャプテンの言うように一年生以下としての活動でいいと思います」

 その後も活発な議論が交わされた。最近の優香の練習態度やさぼり癖について。また特に彼女の服装、今もパンツ丸出しで座っている、その男に媚びるような短いスカートについて。優香はそれらをうつむいて聞きながら、部員たちの軽蔑の視線が絶えず自分に向けられるのを感じた。

 やがて結論が出た。満場一致の多数決で、優香のキャプテンの地位剥奪、および部員に迷惑をかけた償いとして、明日から部活中は0年生として活動することに決定した。

「では最後に、優香、挨拶しなさい。それからみんなに迷惑かけたことのお詫びを」

 香織は優香を部員たちの前に立たせ、用意してきた紙を渡した。

「さあ、これを読むのよ」「え?」
「ほら早く! でないと昨日のことみんなにばらすよ」

 優香の顔が真っ青になった。唇がぶるぶる震えていた。が、香織に尻をつねられて、とうとう口を開いた。

「みなさん、私、田辺優香は、部のキャプテンであるにもかかわらず、練習を無断で何度も休み、また、下着丸出しの短いスカートをはいて町中にパンツを見せびらかし、恥ずかしげもなく快感に浸って、伝統ある女子テニス部の名誉と評判を著しく損ねてしまいました。よって、キャプテンを退任いたします。また、部およびみなさんの名誉を損ねてしまった償いとして、今後私は0年生として活動し、名誉の回復に努めてまいりますので、みなさんの厳しいご指導をお願いいたします。三年の先輩方の言うことはもちろん、二年、一年の先輩方の命令にもどんなことでも喜んで従います。みなさん、今まで生意気に命令や説教などしてすいませんでした。明日からはみなさんの指導のもと、部員として認められるよう努力していきます」

 その最後の方はもう涙で震え声になっていた。

 そして優香は香織にうながされ、部員全員に向かって土下座した。

 土下座をした優香のずり上がったスカートを、香織は腰までめくって、さらに突き出したお尻から白いパンティーを下ろして尻丸出しの状態にした。

 そして次に逆向きに部員たちにお尻を向けて土下座させ、これからの決意表明とばかり、そのむき出しの優香の尻を手で思い切り叩いた。

「痛い! お願い、香織…許して」

 ぴしゃ!

「先輩のあたしになにタメ口使ってんのよ。全然反省してないようね。厳しく教育してあげるから、覚悟しなさい」

 後輩へのしつけと称してそれから香織はまた何発も優香の尻を叩き続けた。

「ごめんなさい、香織、許してください」
「香織、じゃないだろ!」
「許してください、香織…先輩」

 優香はもうまるで子供のように泣きわめいて謝り続けた。

 それでこの日のミーティングは解散となった。

 翌日から地獄の日々が始まった。部活での0年生といい日々が。

 いつもは長く感じられる授業もあっという間に終わってしまった。

 放課後になり、掃除が終わると、優香は部室へ行く前にポケットから紙を取り出して見た。

 それには何十項目にも及ぶ『0年心得え』が書かれてあった。練習の服装、先輩に対する口の聞き方、挨拶の仕方、果ては着替えの仕方にいたるまで、事細かに書いてあるのだった。優香は今朝香織からそれを渡された。そして放課後部活の時間になるまでにすべて覚えておかなければならなかった。一つでも間違えると容赦なく罰せられる。

 優香は最後にもう一度確認すると紙をポケットに戻して部室に向かった。

 二階のバスケ部とバレー部の間にテニス部の部室はあった。だから部室の前の廊下を知り合いや他の部の下級生たちがたくさん通った。優香はたどり着くと、ドアの前に立ち、ノックして叫んだ。

「0年田辺優香です。着替えをしに来ました」

 事情を知らない他の部の部員たちはびっくりして優香の方を見た。

 部室のドアが開けられると、優香は鞄を部屋の中にいる一年生に渡した。

「お願いします!」

 とまたドアが閉じられた。すると優香は部室の前の廊下で制服を脱ぎ出した。男子の部室は一つ上の階であるとはいえ、廊下には他の部の女子たちがひっきりなしに現れる。

「やだ、ちょっと優香ちゃん、何してるの!」

 とそのとき知り合いのバレー部の女子が通って声を掛けた。

「テニス部0年、田辺優香です!」

 そう言わなければならなかったのだ。そして優香は服をどんどん脱いでいく。まずセーラー服の上を、次にスカートを、そしてブラジャー、パンツ、靴下に上履きを… つまり優香は人の通る廊下で全裸にならなければならなかったのだ。その側をバスケ部の一年生たちが通り過ぎた。

「ねえあの人たしかテニス部のキャプテンだったよね?」
「うん…でも何で廊下で裸になってるの?」
「さっき何か0年とか言ってなかった?」
「恥ずかしくないのかなぁ」

 優香はそんな周囲の好奇の視線に真っ赤になりながら、全裸のまま、廊下に正座して脱いだ制服と下着を畳んでいった。

 そして畳み終えるとまたドアの前に立って叫んだ。

「テニス部0年田辺優香です。服を脱いで全裸になりました」

 その声は廊下の一番奥まで響き渡った。一番奥の女子陸上部の部室からそのとき何人か顔を出したほどだった。

「ねえねえみんな来てごらん。ホントに全裸になってるよ」
「うわっ、ホントだ。信じらんない!」

 優香が叫ぶと、再び部室のドアが開かれ、中から手が伸びてきて優香の脱いだすべての服を受け取った。

「ありがとうございます!」

 すると中から体操着とブルマーが飛んできた。それはこの前体育の時間に優香が着た異常にサイズの小さい体操服とブルマーで、見ると体操服の胸の『田辺』という文字の両脇にマジックで文字が付け足され、読むと『0年 田辺 優香』となっていた。それが優香の練習着と定められたのだった。

 ノーパンノーブラの上に着るとはち切れんばかりに伸びたシャツの胸に乳首の形がはっきりと浮き出て微かにピンク色に透けて見えた。シャツの裾を入れるためブルマーはTバック状に大きく引き上げられ、優香の真っ白なお尻のほとんどをさらけ出していた。下着をはいていない股間は食い込んでスジができ、アソコの位置が一目でわかるようになっていた。

「テニス部0年田辺優香です。着替え終わりました」
 すると中から新キャプテンの香織の声が聞こえた。

「それじゃ一年生と

 私立〇〇高校、三年二組の教室。

 一日の最後の授業の終わりを告げるチャイムが鳴ると、優香は教科書を鞄にしまい、帰る仕度に取り掛かった。が、そのときふと鞄の中を覗くと、そこに一枚の見知らぬ写真が入っていることに気がついた。

(なんだろう…)

 不思議に思い写真を取り出した。そしてそこに写し出されているものを見た。

 優香は愕然とした。

(な、なによこれ!)

 それは自分の裸の写った写真だった。場所は自宅の風呂場??つまりシャワーを浴びる直前の全裸を撮ったものだった。かなり近くから、おそらく窓の隙間から撮ったものらしく、自分のDカップの胸や乳首、薄いアンダーヘヤーにいたるまで、細かいところまではっきりと見て取れる。

(なに、どういうこと…)

 当然のことだが優香には訳がわからなかった。どうして自分の裸が、写真に撮られて、しかもその写真が自分のカバンに入っているのか? 優香は顔を上げると、それからさっと無意識に教室中を見回した。周囲のクラスメートたちはいつものように帰り仕度をしながら授業の終わった後の解放感から友人同士ざわざわ陽気に話し合っている。優香はその中に自分を見つめている視線はないかと探したが、誰も彼女の様子を窺っている者はなさそうだった。

「優香、どうしたの?」
「え?」

 優香は突然話し掛けられてびっくりした。声を掛けたのは香織だった。優香の部活の仲間で、また彼女の一番の親友でもあった。

「さっきからなにぼーっとしてんのよ?」
「え…いや、ううん、べつに」

 そしてすかさず写真をカバンの中に隠した。

????????????????????????

 優香の携帯にメールがあったのはその夜、彼女がもう帰宅した後のことだった。差出人不明のメール… メールにはこう書かれていた。

「以下の命令を明日実行してこなかった場合、例の写真をビラにして、学校中に貼り付ける。」

 優香は読みながら自分の手が震えていくのを感じた。

「命令。明日あなたは学校に、スカートを下着の見えないぎりぎりの短さに詰めて登校すること。最低股下5cm。スカートの中にジャージ等の着用は不可とする。またもし学校を休んだ場合、その場合も命令に従わなかったものとして同様の罰をあなたに下す。なおこのことを誰か他人に、特に警察に喋ったら、写真は学校ばかりか町中にばらまかれるものと覚悟すること。」

 そして添付された画像を見ると、そこには先程彼女を震え上がらせた、例の全裸の写真がそっくり映し出されていた。

 それを見た優香は気が遠くなった。

 優香の転落の始まりはこういう次第だった。

翌朝、学校の門を通った優香は普段より短いスカートを穿いていた。しかしそれは命令に規定されていた股下5cmには遠く及ばない、せいぜい膝上15cmといったところのものだった。優香としてはこれが限界だった。いつも膝丈のスカートを真面目に穿いている優香にとっては、膝上15cmの、これでも充分恥ずかしいものだった。

 命令を完全に無視したのではない。とにかく短くはしてきたのだ。だからこれで何とか妥協してもらえると思った。また、犯人が誰かわからないが、写真を貼るとかばらまくとか、そんなことができるはずはない、単なる冗談に過ぎないだろうと甘く考えてもいた。

 教室に入った。
 優香はほら自分の考えた通りだと思った。どこにも写真は貼られていない。クラスメートたちの様子にも特に変わった点は見られない。ただ仲のいい何人かの女子が「スカート短くしたんだ、かわいいね」などと言ってくるだけだった。

 そして授業が始まり、何事もなく、昼が過ぎた。やっぱり思った通り、単なる冗談だったんだと優香はもう信じ始めていた。

 しかし最後の数学の授業中、何か男子の間でやり取りしている様子があって、やがて一人が「誰だこれ、うちの学校の女子じゃねえか?」と言うのが優香に聞こえた。
 優香はハッとした。そして男子の中だけで回っていたその紙切れのようなものが近くに来たとき、さっと取り上げた。

「うるさくて授業に集中できない」

 と言って彼女は奪い取った紙を見た。しかしそれを見た優香は途端に言葉を失った。

 それはA4サイズの紙に拡大された、紛れもない昨日の例の裸の写真だった。目のところに黒い横線が施されてはいたが、顔の輪郭や髪型から、自分でなくともわかってしまいそうな、田辺優香の全裸姿だった。

「なにそんなに怒ってるんだよ」
「別に怒ってなんか……ただうるさくて授業に集中できな……」
「もしかしてそれお前の裸だったりして……いや、待てよ、たしかにちょっと似ていたような。おい田辺それもう一回見せてみろよ」
「いやよ。だいたいそんなわけないじゃない」
「いいから見せろよ」
「いやっ!」
「おいそこ、静かにしろ、うるさいぞ」

 とそのとき壇上の教師がそう注意したので写真は再び男子たちの手に渡らずに済んだ。優香はすぐさま紙を折り畳んで自分のポケットにしまってほっとした。しかしほっとしたと同時に、優香は、もうこれは単なる冗談なんかじゃない、本気の脅迫なんだと悟るのだった。

 するとその5分後さっそくメールが送られてきた。

「もしまた命令を無視したら次は目隠しなしで学校中に公開する。放課後掃除が終わったらすぐに実験室に来るように。」

 メールを読み終えた優香の顔は青ざめていた。

放課後の実験室はひっそりしていた。実験室は校舎の外れに位置しているため授業以外に生徒はほとんど立ち寄らないからだった。

 優香は入るとまず部屋の中を見回した。が、予想に反してそこには誰もいなかった。ただ窓際のテーブルの上には明らかに不審な紙袋が一つ置いてあった。

 万がいち人が通っても見えないようにとドアを閉めた。と、それとまったく同じタイミングで彼女の携帯が震えた。メールが来ていた。

「ではまず、紙袋の置いてあるテーブルの前に立て」

 優香がその通りにすると、すぐ次のメールが送られてきた。

「では次に、その場でスカートを脱げ」

「そ、そんな…」優香は思わず声を発した。「そんなこと、できるわけない…」

 すると即座にメールが届いた。

「今から一分以内にできなければ、写真を校門に貼り付ける。」

 優香は窓の外を見た。校門は今彼女の立っている窓際の位置からよく見える場所にあった。下校中の生徒たちがまだ何人も、それこそ無数に、そこを通っていた。もし命令通りにしなかったら、自分の裸の写真があそこに貼り出され、何十人もの人間に(その中には自分の知り合いだっているかもしれない)写真を見られてしまうのだ。そう思うと躊躇している暇はなかった。もうメールを読んで考えているうちに三十秒以上は経過していた。

「もう従うしかないのね」
 そう考えて優香はスカートに手をかけたがなかなか決心がつかなかった。実験室だからといって誰も来ないとは限らない。もし自分が下着姿でいるところへ誰かが入ってきたりなんかしたら、一体何と説明すればいいのだろう。

 こうためらっているうちに五十秒が経過した。優香はまだスカートに手をかけたままどうしようかと迷っていた。

 するとそのとき、校門の前に突然、大きなポスターを手にした人間が現れて立った。遠くてその顔はよく見えず、また学校のジャージを着ているのでここの生徒であるらしいことはわかったが男女の見分けはつかなかった。しかし正体はわからないがその目的は、優香には一目瞭然だった。生徒はもう今にもポスターを広げようとしている。

「いやッ!」

 優香は悲鳴を上げ、もう考える余裕もなく、ほとんど反射的にホックを外して…そしてとうとうスカートを、腰から床へすとんと落とした。

 短いセーラー服の裾は彼女の白い下着を隠してはくれなかった。夏の夕暮れの日差しが剥き出しのパンティーと太腿を赤く照らした。

「いやッ!」

 我に返った優香はたちまち自分の状態の不自然さを理解して恥ずかしくなったが、もはや床に落ちたスカートを自分で拾うことはできないことだった。

 校門の前に立ってポスターを持っていた生徒の姿はいつの間にか消え去っていた。
スカートを脱ぎ、下半身下着姿になった優香は、そのとき自分の携帯が震え出したのを見て跳び上がらんばかりに驚いた。

「ぎりぎり間に合ったね」

とメールには書かれていた。

「でも次からはもう考えている時間はないよ。メールを読んだらすぐ行動しないと、今のように校門に貼り出すから、そのつもりで。では、次の命令。それは今あなたの前に置いてある紙袋を持って、すぐ隣の女子トイレに向かうこと。ただそれだけのこと。簡単だろ? ただその際、脱いだスカートはその場に置いていくこと。ではこれも一分以内。始め」


(そんな、このままの格好でなんて、そんなこと……)

 そんなこと、優香にはできるはずがなかった。が、今はもう迷っている暇はなかった。やるしか他に道は残されていないのだ。

 実験室のドアを開け、外の廊下に出ると、そこのひんやりした空気が、優香のあらわな太腿と下着だけの股間を冷たく撫で付けた。廊下はひっそりしていた。どこからも足音は聞こえてこなかった。しかしいつ人が現れてもおかしくなかった。もし今のこんな状態の自分に出くわしたら、その人は私をきっと変態と思うだろう。そうなればもう一巻の終わりだ。

 トイレまではほんの数メートルしかなかったが、そこまで走っていく時間が優香には非常な長さに感じられた。

 トイレの個室に入り鍵を閉めるとすぐまたメールが届いた。

「今度は早かったじゃないか。だんだんお利口さんになってきたね。逆らってもしょうがないことがようやくわかってきたかな。じゃあ、いよいよ最後だ。といっても最後のは、別に命令でもなんでもないから、優香さん、あなたのご自由に。今あなたの持っているその紙袋の中のものを着ること、それだけのこと。」

 優香はすぐさま紙袋の中を見た。高校の制服のスカートだった。彼女は一瞬ほっとしたが、続いてそれを手に取ってみて唖然とした。それは、制服のスカート、といっても見るからに短い、陸上のショートパンツほどの丈しかないスカートだったからである。

(なにこれ…こんな短いスカートを穿けっていうの?)

 とはいえ、スカートもなにもないパンティーだけの今の状態よりは遥かにマシだった。こんないやらしい短いスカートでさえ今の自分にとっては頼りになるのだ。そう思うと優香はなおさら現在の自分の惨めさを痛感せざるをえなかった。そしてそうした屈辱的な思いを抱きつつ、彼女はみずからその卑猥な短いスカートに足を通した。

 が、実際に穿いてみて、それは予想以上のいやらしさだった。なぜならそのスカートはかろうじて股に届くほどの丈しかなかったからである。ほんのちょっと屈んだり、伸びをしただけですぐパンツが見えてしまうのは確実だった。足に纏わり付くスカートの感じがまったくない。というよりまるで何も穿いていないような感じさえするのだった。

(なによこれ、いやらしい! こんなの穿いてたら下着がまる見えになっちゃうじゃない。まるで変態……頭のおかしな人の穿くものよ)

 そう思った優香は実験室に戻ってすぐ元のスカートに穿き変えようと思った。もう命令は終わったのだ、あとは自分の自由にしていいとメールには書いてあった。

 しかし実験室に戻った優香はそこでたちまち絶望のどん底へ突き落とされた。

「う、うそでしょ…」

 スカートが見当たらないのだった。床にも、テーブルにも、どこにも……。代わりにテーブルの上に手紙を一枚見つけただけだった。手紙にはこう書かれていた。

「優香ちゃんへ。今日のところはこれで勘弁してあげる。だから後はご自由に。そのかわいいスカートを穿いて帰るのもよし、嫌ならパンツだけで帰るのもよし。あ、露出狂の優香ちゃんのことだから、パンツだけの方がいいかな。もしそれでも物足りなかったらパンツも脱いじゃっていいからね。お○んこ丸出しで帰ってもいいんだよ。でもスカート買い替えたり、下に何か着たりするのは駄目だよ。そうしたら写真はばらまくよ。あと今日の一部始終はちゃんとカメラで撮ったから、公開すれば優香ちゃんの変態ぶりがみんなにばれちゃうね。だからお前はこれから卒業まで毎日その短いスカートで、ケツ丸出しで過ごすんだよ。一日でも休んだりしたら、卒業はおろか、この国で生きられないようにしてやるからな」

 優香はその場に膝からくずおれて、座っただけで見えてしまう、真っ白な下着の尻をもはや隠そうともしなかった。

 スカートを奪い去られたあの瞬間から、優香の人生は180度変わってしまった。

 翌朝、扉を開けて家を出た優香は、玄関の門のところで立ち止まり、憂鬱そうに溜息を吐いた。季節は初夏だった。通りへ出ると初夏の爽やかな風が彼女の高校の制服のスカートを揺らした。

「いやっ!」

 股下5センチほどの、短すぎるスカートがめくれると、白いパンティーがあらわになった。

(こんなのやっぱり無理……)

 優香は自分のスカートを見下ろした。これでは風が吹かなくても、ちょっと屈んだり背伸びをしただけで下着が見えてしまう。学校を休もうかと思ったが、そんなことをする勇気は彼女にはなかった。もし命令を無視してそんなことをしたら、それこそ自分の人生は台なしになってしまう。つまり、あの彼女の裸の写った写真を学校中にばらまかれてしまうのだ。だから、写真の公開はなんとしても防がなければならず、そのためには、メールの命令に従うしかなかった。

 再び下を見下ろすと、むき出しになった自分の白い太股が、ほとんど足の付け根まで露出して、風が直接下着の股間を撫でるように通ってひんやりとした。

「他に道はないのね」

 優香は決心して歩き出した。が、この短すぎるスカートでは、スカートを穿いているという感覚がなく、まるで下半身裸の状態でいるような気分だった。

 人通りの多い道へ出ると、さっそく人々の好奇の視線が彼女の短すぎるスカートに集まった。サラリーマンやOL、優香と同じ年頃の男女の学生、信号に停止中の車の運転手まで、彼女のあらわな太股を見ない者はなかった。男は半分にやけたいやらしい目つきで、逆に女は蔑みの冷たい眼差しで。駅の階段を上るとき、カバンでお尻を隠していたら、後ろにいた別の学校の女子高生二人組が、彼女に聞こえよがしの声で話し出した。

「あそこまで短いスカート穿いておいて何隠してんのよ」
「ホントはパンツ見て欲しくてしょうがないくせに」
「あんたの汚いパンツなんか誰も見たくないんだよ。この変態女」
「ていうか白いパンツ見えてるし」

 優香は顔を真っ赤にしながら階段を上って行った。

「恥ずかしがるくらいなら最初から穿くなよ」
「ああいう顔だけ真面目ぶってる女が一番むかつくんだよね」

 ホームで電車を待っている間も、電車の中でも、優香は周囲の注目を浴び続けた。不良少女でも穿かないほど短いスカートを穿いているのに、その穿いている本人の顔は、運動部系の明るいしっかりしていそうなタイプの女子高生であるというギャップがさらに人々の関心を引き付けるのだった。

 電車の中で、吊り革につかまって立っていると、目の前の座席に座っていた若いOLが、あるとき優香の顔を見上げ、睨みつけると言った。

「あの、気付いてるんならいいんですけど、ここに座ってると見えるんですよ、あなたの白い下着が。正直言って、朝っぱらから迷惑なんで、そんなに見せたいんなら誰か見てくれる男の人の前に行ってもらえませんか」

 他の乗客にも聞こえる声の大きさだったので、周りにいた人間がそのとき一斉に振り向いて笑った。死ぬほど恥ずかしかったが優香はそのOLに頭を下げて謝り(謝って頭を下げると後ろから彼女のパンツが丸見えになった)、ドアの近くに場所を移して、それ以降ずっと俯いたまま泣きそうな顔をして、優香は自分を見つめる人々の冷たい視線に耐えていた。

教室へ入るとクラス中の視線が一斉に優香に集まった。ついこの間まで真面目な膝丈のスカートだったはずの田辺優香が、突然股下5cmの短すぎるスカートを穿いて現れたので驚くのも無理はなかった。

「おい、見ろよあれ」
「パンツ見えるんじゃないか」
「田辺さんって真面目ぶってて実は結構エッチだったりしてね」
「あたしには絶対無理だわ。あんなの穿くくらいだったら死んだ方がましよ」
「ちょっとかわいいからって調子に乗ってるのよ」

 クラスメートにじろじろ自分のあらわな太股を見つめられて、優香は死ぬほど恥ずかしかった。が、脅迫されていることは秘密にしておかなければならなかった。

 席へ着くとさっそく親友の香織が優香のもとへやってきた。

「ねえ、みんな優香のこと噂してるよ。そのスカート、どうしたの?」

 親友の香織といえども、ここは本当のことを話してはならなかった。優香はいつもの明るさを装った。

「スカート? う、うん、ちょっと気分転換に…」
「いくらなんでも短すぎじゃない?」
「自分でも失敗したなって思ったんだけど、別のスカート持ってなかったから、それで……」
「あたし予備のスカート持ってきてるから、貸してあげようか?」
「い、いや……大丈夫、気にしないで」
「そう、でも……」

 でも、椅子に座っているだけでスカートの後ろがずり上がり、パンツが見えているのだと香織は言いたかったのだが、さすがにそこまでは言えなかった。

「優香、昨日から何か変だよ。部活にも最近来ないし」
「ううん、大丈夫。何も変なことなんかないよ。今日は部活にもちゃんと出るから」
「そう、ならいいけど…」

 そのときチャイムが鳴ったので、話はそれきりで香織は自分の席へ戻っていった。

 それは最初考えていた以上の屈辱だった。最初は、そう、椅子に座ってじっとしていればどうにか耐えられると思っていた。しかしそれが間違っていた。椅子に腰掛けるだけでもうその短すぎるスカートは下着を隠すだけの長さを欠いてしまうので、授業中、優香は常に下着を晒していなければならなかった。

「おい見ろよ、あいつパンツ見えてるぞ」
「ホントか。お、白だ。田辺の白いパンティーだ」
「あれ絶対わざとよね。男子に見えるようにわざとしてるのよ」
「同じ女として最低ね。真面目そうな顔してきっと言われれば誰とでもエッチしちゃうのよ。あんた後でやらしてもらえば?」
「ば、ばかなこと言うなよ」

 そんな囁き声が後ろから聞こえるのだった。優香は恥ずかしくて授業どころではなかった。だから教師に指されたとき質問を聞いていなかった。

「答えがわからないならまだしも、聞いていなかっただと?」と言ってその教師は優香のスカートをちらと見た。「たるんでる証拠だ。罰としてそのまま立ってろ!」

 優香は自分に否があるのでおとなしく従おうとした。しかしそのとき彼女の真後ろの席の男子が言った。

「先生ぇ。前に立たれると黒板が見えないんですけど」
「ん、そうか?」
「はい、田辺さんのお尻しか見えません」

 教室中にクスクス笑う声が広がった。

「じゃあ、前に出て…」
「でも前に立たれると気が散って今度はみんなが迷惑すると思います」
「じゃあ、どうしようか…」

 するとその男子は意地悪く笑った。

「机の上だったら、大丈夫だと思います」

 誰もが耳を疑った。とりわけ優香は、それまで恥ずかしそうに俯いていた顔を思わず上げた。

「机の上に立つんだったら、黒板も見えるし、みんなの気も散らないと思います」

 優香は振り返って言った。「そ、それじゃ…」

「お前は黙ってろ!」という教師の怒鳴り声。「お前に決める権利はない!」そしてにやりと笑った。「先生は別にどちらでも構わん。みんなが授業に集中できるならそれでいい……どうだ?」と言って教室中を見回した。「反対のやつはいるか?」

 何人かの生徒が同情まじりの顔をしていたが、誰からも何の答えもなかった。というのも男子は当然、学校一の美人の呼び声高い優香の恥ずかしい姿を見たかったわけだし、仲の良かった女子たちも、日頃の嫉妬と今日の優香の短いスカートに対する同性としての反感から、少し懲らしめてやりたいという気持ちが働いていたからだった。

「じゃあ、みんな賛成のようだから、田辺、机に上がりなさい」
「そ、そんな…」
「早くしろ。授業を遅らせる気か。もし従わないなら、質問を聞かないうえ、授業の妨害をするということで成績はないものと思え。そんなやつに試験は受けさせられない」

 優香はそれでもまだためらっていた。その間にも時間は流れていく。

 と、そこへ彼女の携帯にメールが入った。彼女は机の下で即座に読んだ。開いて見るまでもなかった。教師の言うことに従えという命令だった。

 もう逃げ道はないと優香は悟った。

 
優香はゆっくりと、まず右足を椅子の上にのせた。前後から手でスカートを押さえて下着が見えないようにしていたが、股下5cmの短すぎるスカートでは下着の股間とお尻を隠せようはずがなかった。

「白いパンツみーえた」

 と一人の男子が言った。
「きゃあ!」
「おいうるさいぞ。黙って早く上れ。そんな短いスカート穿いてる方が悪いんだ。校則には長さの規定はないが、風紀を乱すような服装は認めておらんぞ。これ以上もたもたしてるとスカート没収するぞ…」

 優香はそれでしかたなく、左足も乗せて完全に椅子の上に立った。するともうそれだけで彼女の白いパンティーが、はっきり誰の目にも見えるようになるのだった。

「おぉ! もうパンツ丸見えだな」
「前からだと股間も見えるぜ」
「その黒いのは毛か? 毛が透けて見えるぜ」

 優香は恥ずかしさに生きた心地もしなかったが、まだそれで終わりではなかった。これよりもっと高い机に上がらなければならないのだった。

????????????????????????

 数分後、三年二組の教室で、クラス1の美人で成績も優秀な女子生徒、田辺優香が机の上に立っていた。邪魔にならないよう足は机の両端一杯に広げられ、左手に教科書、右手にペンを持っている。時折開け放した窓から風が入って彼女のスカートをめくったが、押さえることは許されていなかった。教室のどの位置にいても彼女の真っ白なパンティーを見ることができた。ある者は毛が黒く透けて見えると言い、またある者は股間がうっすら湿って染みになっていると言ったが、真偽のほどは定かでない。授業の残りの約十五分間、彼女はその姿勢のままずっと立っていたが、そのあいだ常に男子のなめ回すような視線が自分の股間に向けられているのを我慢していなければならなかった。

 終了のチャイムが鳴って降りていいと言われると、目に涙を溜めた優香はすぐさま教室を出てトイレへ走った。五分後戻ってきたとき彼女の目は真っ赤になっていた。

(いい気味ね)
(調子に乗ってるからこうなるのよ)
(ああ見えて案外楽しんでたんじゃない)
(今度話してやらしてもらおうかな)

 などとクラスメートは優香のことをそれぞれ考えていた。それは成績優秀、明るく美人でクラスの人気者だった優香のそれまでのイメージが崩れ落ちた瞬間だった。そしてたちまち、男の欲望と女の嫉妬が、いまや地に堕ちた優香に向かって牙を剥き始めるのだった。

それから一週間が経過した。

 優香は一日も休まず、あの股下5cmのスカートをはいて学校に通い続けた。

 その頃にはもう登校中に行き会う人々やクラスメートたちは優香のパンツを見ることに慣れっこになってしまった。いつも同じ電車に乗り合わせるサラリーマンやOLは、

(お、今日もまた白いパンツか)
(でも昨日のとちょっと形が違うな)
(よくもまあ毎日毎日、パンツ丸出しで平気で過ごせるものだわ)
(みんなに見られてさぞ嬉しいでしょうよ)

 などと優香のパンツを見て思い、それはいつしか朝の日常的風景と化していった。

 優香のクラスメートたちももう彼女のパンチラならぬパンモロには慣れっこになってしまって、男子たちは優香のパンツを見ただけではもう誰も興奮しなくなっていった。

「なんだまた白かよ」
「たまには赤とか黒とか違う色のパンツはいてこいよな、つまんねえの」
「そんなにケツ見せたいならもっとエロいパンツはいてくればいいのに、Tバックとか…」

 そして女子たちも、もう露骨な陰口を言ったりはしなくなったが、それは、話題にするのも汚らわしいといった優香に対する軽蔑の気持ちからだった。誰ももう優香のことを以前の真面目な優等生だと思っていなかった。今ではただ顔だけ真面目ぶった、露出狂の、変態女としか思わなくなっていた。

 そして男子も女子も、いつしか物足りない気持ちになっていった。男子は優香のもっとエッチな姿を見たいと思い、女子はいつかこてんぱんに懲らしめてやりたいと、だんだんと思うようになっていった。

 だが優香の方には、この一週間、新たな脅迫のメールは送られてこなかった。といってももう今のこのままの状態で充分優香にとっては死ぬほど恥ずかしいことだったが。以前は縞模様の下着や水色の下着など、割と明るい色の下着を好んで穿いた優香だったが、今ではもういつでも誰からでも自分の下着が見えることがわかっていたので、目立たない地味な白い下着しか穿けなかった。

 そして何よりつらいのは以前は仲の良かったクラスの女子たちが目に見えて自分を避けていることだった。親友の香織でさえ、話し掛ければ答えはしたが、その様子はどこかよそよそしく、もう以前のように気軽に話をするようなことはなくなった。

 
 その一週間後の体育のときだった。

 授業が始まる十分前。更衣室に女子たちがぞろぞろと入りこみ、体操着に着替え始めた。優香もいつもの通りカバンから体操着を取り出して、着替えようとしたが、両手にシャツを広げて不思議に思った。

「どうしたの?」とすぐ隣にいた香織が聞いた。
「あれ、私のシャツこんなに小さかったっけなあ」と首を傾げた優香は言った。
「気のせいじゃない?」
「そうかなぁ…」
「きっと洗濯して縮んじゃったんだよ」

 優香もやがて気のせいか、と思い、とりあえずシャツを着てみることにした。しかし着終えると、驚きの声を上げた。

「ほら、やっぱりこれ、小さいよ!」

 たしかにそれは変だった。優香がいつも着ている白い半袖のTシャツより明らかに小さかった。脇の辺りが窮屈で、胸も、バスト84センチの彼女にはかなりきつく、いつもだったら谷間の辺りに少し余裕が出来るはずなのに、今はピンと伸び切って、布が張り裂けんばかりになっている。しかもただでさえ生地が薄く、ブラジャーが透けやすいシャツなのが、今はさらに生地が伸びて薄くなり、体を反っているわけでもないのに、ブラジャーの色はおろか、形、模様までがはっきりと透けて見えていた。

「うそ! ちょっとこれ、え、なんで! 誰か別の人のを持ってきちゃったのかなぁ」
「いや、そんなことないよ。だって、ほら、ちゃんと名札ついてるから」

 と言って香織が指さしたシャツの胸には、たしかに自分の筆跡で「田辺」と書かれた名札があった。それを見たら優香も納得せざるを得なかった。

「やっぱり気のせいだよ。それとも優香、少し太ったんじゃない?」

 そう言う香織の冗談を、優香は引き攣った微笑で聞き流した。どこをどう見てもやっぱり小さい。胸の名札は小さすぎて透けたブラジャーを隠してはくれなかった。

「ねえ、そんなことより、早くしないともう時間ないよ」

 更衣室の時計では授業開始三分前だった。だがこんなところの時計の示す時刻なんて当てにならない。もういつチャイムが鳴ってもおかしくない。生徒はチャイムが鳴るまでにはきちんと整列していなければならず、遅れるとひどく怒られ、厳しく罰せられるのだ。

「うん、ごめんね。すぐ着替えるから」

 もう迷っている暇などなかった。優香はスカートをさっと脱ぎ、下着姿になった。小さめの白のパンティー。そしてカバンから紺のブルマーを取って足に通した。と、すぐにまた違和感があった。

「うそでしょ…」そう呟いた優香の声は震えていた。シャツに続いて、ブルマーまでもが、小さすぎた。それは優香が普段穿いているものより明らかにワンサイズ以上小さかった。しかもその普段のブルマーでさえ入学当時に買ったもので、三年になった彼女には小さくなってきていたというのに、しかし今彼女が穿いたそれは、小さくなってきたどころの話ではなく、明らかに中学生、いや小学校の高学年用のものである。だから当然、高校三年、もう二十歳と思われてもおかしくない彼女の発達したお尻にはキツすぎた。柔らかいお尻の肉が、指で摘めるほどはみ出してしまっている。

「ねえ、本当にいい加減にしてよ。もうチャイム鳴っちゃうよ」

 香織も異変に気付いたのだが、それよりも遅れて罰を受けるのが嫌だったのである。

「でも、こんなんじゃ、行けない!」

 優香は泣き顔になって言った。今日は女子だけの体育の授業でない。男子と合同の授業だったのだ。こんな格好をして行けば、男子たちからだけでなく、女子たちの注目の的にもなり、わざと小さめの体操着を着て男子の注目を集めようとしていると思われてしまうかもしれない。なぜなら昨日も体育の授業があって、そのときは普通の体操着を着ていたのが、どうして一日経って突然こんな小さな体操着を着てくるのか、他に理由が見つからないからだ。ブルマーは学校の校章の入った特別なものだから、小学生のときに穿いていたブルマーを間違えて持ってきてしまった、などという理由は通用しない。

「ほら、早く! たぶんもうあと一分もないよ」

 香織は本気であせり出した。そして、

「もう、遅れても知らないからね」

 と言い残して立ち去ってしまった。

 
優香は更衣室を出て、鍵を掛けると、廊下を急いで走り出した。走るとただでさえはみ出してしまっているお尻の肉が、さらにはみ出る。Tバック気味に食い込んだブルマーがさらにきつく食い込み、鋭角に尻の奥へと吸い込まれる。大きな乳房を包み込んだシャツがはち切れんばかりに張って、上下左右に柔らかく揺れる。

 もう迷っている時間はなかった。授業に遅刻などすれば、どんな罰が待っているかわからない。

「あと十メートル… あと五メートル…」

 もうあとほんの数歩で体育館へ到着するところだった。チャイムはまだ鳴っていない。とにかく間に合ったと思いホッとしたところで、後ろから突然優香を呼び止める声がした。

「おい、ちょっと待て!」

 体育教師の田崎だった。優香は心臓を飛び出るほど驚き、立ち止まった。

「こっちへ来い!」

 という田崎の声に、優香はおとなしく従った。田崎はもう五十に近い年で、頭は禿げていて、体も腹が出て醜かった。近寄ると変な臭いがすると生徒たちに噂されていた。田崎は目の前に立った優香の体を上下見回していた。優香は恥ずかしさに顔を真っ赤にした。

 田崎が言った。

「ほれ、シャツをきちんとしまえ」

 優香は、なんだそっちのことかと思ってほっとした。小さすぎる体操着のことを注意されるのかと思っていたのだった。で、優香は言われた通りにシャツをブルマーの中に入れようとした。だが、ここで困ったことがあるのに気がついた。
 シャツの丈が短すぎるのと、また同じくブルマーの丈も短く腰の低いところではかざるを得ないということで、シャツの裾がブルマーに届かないのだった。優香はシャツの裾を引き伸ばして何とかブルマーのウエストに入れようとしたが、シャツの生地の伸縮性のせいで、入れたと思ってもまたすぐに戻ってしまう。

「どうした? 早くしろ!」

 と田崎が急かす。その声を聞いたのか、体育館の中の生徒たちの顔が一斉に振り向き、扉の向こうにいる優香と田崎の様子を窺い出した。

「おい、何もたもたしてるんだ!」

 徐々に苛立ってきた様子の田崎の口調に、優香は恥ずかしそうに俯いていたが、やがて消え入るような声で言った。

「あの、シャツが…小さくて…入らないんです」

 すると田崎は優香の腰をまじまじと見つめた。たしかにシャツの丈が短くて腹が少し見えそうになっている。明らかに小さい、と田崎は思った。それに穿いているブルマーも、普通以上にハイレグの鋭さを増して、股間が窮屈に締め付けられている。いかにも卑猥な格好だった。シャツも午後の日差しにいっそう透かされて、ブラジャーの輪郭がはっきりわかる。田崎はしばらく考え込んだ。そしてその間に授業開始のチャイムが鳴った。体育館にいる生徒たちは、男子も女子も、みんな様子を窺っていた。やがてようやく田崎が口を開いた。

「だが、規則は規則だ。体育の授業を受けるときはシャツを入れないといけないことになっていること知ってるな?」

 田崎は典型的な石頭だった。決められたルール以外のことは理解できない、いや、しようとしない。

「はい…」と優香が小さく答える。
「だったら規則には従わなくてはいけない。でないとお前一人のわがままでみんなが迷惑することになるんだ」

 そう言って田崎は腕時計を見た。

「現に今も、お前一人のせいで授業が三分も潰れている」
「でも…」

 でも無理なものは無理だと、そう優香は言おうとしたが、そのとき、それを遮って発した田崎の言葉は衝撃的なものだった。

「なに、簡単なことじゃないか。シャツが短くて入らないなら、ブルマーを引っ張り上げれば入るだろう」

 本気か冗談か優香には理解できなかった。たしかに田崎の言う通りにすればシャツは中へ入るだろう。だがもしそんなことをすればブルマーはさらにハイレグの角度を増し、お尻はほとんど丸出しの状態になってしまう。優香はそれを想像するだけで恥ずかしくなり、顔だけでなく露出した白い太股まで真っ赤になった。

 優香はとてもそんなことはできないと思い、俯いたままもじもじして黙っていた。しかしその様子が、田崎には反抗的な態度に見えたのだった。

「おい、お前俺の言うことが聞けないのか?」
「いいえ、でも…」

 優香は震えていた。言葉が何も出なかった。その態度にとうとう田崎の勘忍袋の緒が切れた。

「じゃあ、仕方がない」と言い、突然両腕を優香の腰目掛けて伸ばしてきた。

「え、ちょっと、何するんですか!」
「自分ではできないらしいから、俺が手伝ってやる。指導の一貫だ」

 そして両手でブルマーのウエストを掴んだ。一瞬のことで優香は抵抗できなかった。ブルマーを掴んだ田崎の両手がいきなり強く上へ持ち上げられた。

 体育館の中でざわめきが起こった。突然外から「キァー!」という女の悲鳴が聞こえたからだった。その悲鳴によってそこにいる生徒のすべての視線が一斉に開け放たれた扉の奥に向けられた。

「あれ、優香じゃない?」とそこで始めて気付いた女子が言った。
「でも、なんか変じゃない? その…ブルマが」と別の女子が言った。
「お尻が丸出しだよ…あたし一瞬何にも穿いてないのかと思った…」

 
それは異様な光景だった。扉のすぐ外にこちらに背中を見せて立っている優香の姿があった。しかしそれはみんなが以前思い描いていた明るく清純な彼女のイメージとあまりにも掛け離れた姿だった。ボディラインのはっきりわかる、肌の色まで透けて見える体にぴったりした体操着のシャツを着て、小さすぎるブルマーをはいている。それはブルマーではなく黒いふんどしなのではないかと一瞬思わせるほど、彼女のお尻、というより尻の割れ目に食い込んで完全に尻の丸出しになったTバックになっていた。その大きな白いお尻が日差しを浴びている。日焼けした顔や腕に比べてそのお尻はいかにも白く、血の回りが良いのかほんのり赤みを帯びている。引き締まった足とは対象的に彼女のお尻は柔らかい肉がついていて、女性的に突き出ていた。それは見ていていかにも異様で、また卑猥だった。

 ずっと前から見ていてその事情を知っているらしい一人の男子が説明した。

「なんか、小さすぎてシャツがブルマの中に入らないとか言って揉めてて、田崎が引っ張り上げて無理矢理入れさせて、今のあの状態になったらしいぜ」

 それを聞いて女子たちの間にかわいそうという声がしばらく起こったが、やがて誰かが、

「でも、何でそもそもあんな小さい体操着きてきたんだろう?」

 と言ったとき、するとそれまで囁かれていた同情の声が急になくなった。

 沈黙がしばらく続いた後で、一人が「香織ちゃん、何か知ってる?」と聞いた。
 香織は自分は知らないと答えるだけだったが、別の女子が「誰かに借りたやつなのかなあ」と言うのを聞くと「いや、ちゃんと名札に名前書いてあったから、自分のらしいよ」と断言した。

「じゃあ何でわざわざあんなちっちゃいの買ったんだろう?」
「さあ、でも急に小さいのが着たくなったんじゃない? ほら、特に今日は男子と一緒の授業だから……」とそのとき一人の女子が冗談ぽく言った。

 すると今まで話していた声が一斉に静まり返った。

 もうその言葉だけで充分だった。みんなの頭の中に、嘘のような優香の姿、つまり、男子に見せびらかすためにわざと小さな体操着を自分で買って、それを実際に着てくるというイメージが、いつしか本当らしく思えてきたからだった。

 そして沈黙のうちにクラスメートたちの顔がみるみる変わっていく。さっきまでいくらか同情を込めて優香を眺めていた女子たちの眼差しが、徐々に、冷たい軽蔑の視線に変わっていくのだった。

 
優香と田崎が話しを終えて、体育館に入ってきたのは授業開始10分が過ぎた頃だった。優香は俯きながら田崎の後ろについて歩いて、生徒の列には加わらず、生徒の前に立った田崎の横に来て止まった。そのすぐ目の前の、最前列の男子は優香の姿を見てはっとなった。

 ブルマーの中へ無理矢理押し込まれたシャツは、生地が伸びきって、白いブラジャーを鮮明に透かしている。また両端を高く引き上げられたブルマーは、デルタの縁にそって鋭角に切れ上がっていた。そのため、支えとなる股の部分に非常な圧力が加わり、恥丘の盛り上がりを際立たせて見せていた。そして、その真ん中に縦に走る一筋の線。その線が、彼女の女性器の位置をはっきりと示し、誇らしげに自己主張しているようだった。顔は俯いてしまっているのでよくわからなかったが、普段の明るくハキハキしたところは微塵もなくなっていて、反対に大人びたエロティックな雰囲気を漂わせていた。男子生徒の誰もが息を呑んで優香の胸の膨らみや股間や俯き加減の顔の表情を、つまり彼女の女性的なすべての個所にくぎづけになった。

 やがて田崎が口を開いた。

「えーと、これから授業を始めるわけだが、その前に、今ちょっとした事故があって、開始からもう10分が過ぎている。それについて田辺から話しがあるらしいから聞いてくれ」

 そう説明すると、田崎は横にいる優香の方をちらと見た。そして小声で、ほら、みんなに謝るんだ、と言ったのが静寂の中に響いた。

「あの…」とやがて優香が言った。が、そのとき田崎が怒鳴った。

「それは謝る態度じゃないだろ! ちゃんと気をつけをして、顔を上げて、みんなの方を見て謝るんだ」

 優香は前で組んでいた手を外して、気をつけの姿勢を取った。太股の側面にきちんと掌を当てて、指の一本一本がぴんとまっすぐ伸びている。顔も上げて真正面を向いたが、視線は定まらず、誰とも目を合わせようとしなかった。

「よし、じゃあ始めろ」と田崎が言った。

「あの…今日は私のせいで大事な体育の授業を10分間も潰してしまいました。それというのも私がブルマーの中にシャツを入れなければいけないというこの学校の規則を守ろうとしなかったからです。でも、田崎先生の指導とシャツを入れるのを手伝っていただいたおかげで、私は心から反省し、シャツを入れることができました。ですから、授業を遅らせてしまったことについて、みなさんに謝りたいと思います」

 そして優香は深々と頭を下げた。「すみませんでした」

「な、こう言ってるんだから、みんな彼女のことを許してあげろよ」

 田崎は満足げに言った。そして、

「いいな、体育のときはシャツを入れる。こういうふうに」と言って優香の腰を示した。

「シャツが短くて入らないときは、ブルマーを引っ張り上げて入れるんだ」

 そして今度は優香を後ろ向きにさせた。優香は逆らえず、黙って後ろ向きになって、気をつけの姿勢を崩さなかった。だがその顔は真っ赤になっている。背後から見ても首や耳が赤くなっているのは一目瞭然だった。

「な、後ろをこうやって」と田崎はTバックに尻に食い込んだ紐状になったブルマーを摘んで、引っ張りあげた。すると優香は尻に思わず力が入り、真っ白な柔らかい肉が固くなって盛り上がった。

「な、こうすれば、入れられる」

 そして今度は、あろうことか、優香の尻を掌で軽くぴしゃりぴしゃりとたたき出した。彼女の柔らかいお尻の肉は叩かれるたびに細かく振動する。

「でも」と田崎は尻を叩きながら言った。それはむしろ叩くことよりも、その音をみんなに聞かせることを目的としているみたいだった。「でもな、そうなると俺がいま叩いてるのは足だ。(ぴちゃ、ぴちゃ)なぜなら女子生徒のはくブルマーというものは、尻と性器を隠すために着用するものだからだ。だから、それより下の部分は足、上は腹ということになるわけだ。だからいま俺が触っているのは足だ」

 といって今度は叩くのを止め、尻をまともに触って揉み出した。

「お前、たしかテニス部のキャプテンなんだろ?」

 優香は涙声で「はい」と答えるだけだった。

「だったら、ちょっと鍛えかたが足りないな。テニスは足を鍛えなきゃ強くならんぞ」

 といってまたさらに激しく優香の尻を揉み回した。それを見ていた男子は全員、股間を固く膨らましていた。女子はまだいくらか同情の眼差しで優香を見ていたが、何人かは、実はあんなことをされて内心喜んでいるのではないかと、探るような目で見ていた。

「ほれ、足のマッサージだ。気持ちいいだろ?」

 田崎は非常に満足げだった。優香は気持ちいいとも悪いとも答えなかった。ただ頭の中で、どうしてこんなことになってしまったのか、自分の行動のいったい何が間違っていたのかと考えるばかりだった。

しんと静まり返った体育館の中で、優香の尻を、揉んだりぴちゃぴちゃ叩いたりする、その音だけが、悲しく響き渡っていた。

 
体育の残りの時間、優香は罰としてウサギ跳びを命じられた。クラスメートが楽しくバスケをやっている回りを、一人お尻丸出しの状態でウサギ跳びをしなければならないのだった。ただでさえ食い込んでTバックになっていたブルマーは、ジャンプするごとにまた激しく食い込み、やがてブルマーから下着がはみ出てしまった。

「お〜い田辺、ハミパンしてるぞ」

 男子の一人が優香をからかう。

「きゃあ!」

 そう叫んで優香はすぐ直そうとしたが、そのとき田崎がやって来て怒鳴った。

「誰が止まっていいと言った!」

 そして四つん這いになった優香のはみ出た尻を手で思い切り叩いた。ぴしゃッ! という乾いた音が体育館中にこだました。

「休まないで続けろ…ん、いや、ちょっと待て。ほらまたシャツが出ているじゃないか!」

 と言うと田崎は、四つん這いになった優香のブルマーを後ろから思い切り引っ張り上げた。それは一瞬優香の腰が宙に浮いてしまうほどの強さだった。

「うん、これでよし。では続けろ!」

 そしてまた優香の尻をぴしゃりと叩いた。

 優香は再びウサギ跳びを始めたが、その真っ白なお尻には真っ赤な掌の跡が残っていた。

「お〜い優香、お前のケツ真っ赤だぞ」
「それにすげぇTバック…ケツの穴見えるんじゃないか」
「そんなに大股ひらいて跳んでたらアソコもはみ出しちゃうよ」

 男子たちはバスケもそっちのけでウサギ跳びする優香のことをからかった。

 女子は軽蔑の眼差しで優香を見ていたが、直接からかいはしなかった。その代わり、あるとき一人がわざとパスを逸らして、ちょうど優香がウサギ跳びをしている方向の、そのもっと向こうにボールを転がした。

「優香ちゃん、ごめん、ボール取ってくれない?」
「え?」
「優香ちゃんが一番近いでしょ。一番近い人がボール取りに行くのが常識でしょ」
「う、うん…わかった」

 そこで優香は立ち上がってボールを取りに行こうとしたが、そのときまた田崎が怒鳴った。

「誰が歩いていいと言った! 授業が終わるまでウサギ跳びをやめるな!」

 だから優香はウサギ跳びをして、体育館の隅に転がったボールを取りにいった。
 そして近づきもせずコートの中に立って待っている女子の群れの前に行ってボールを渡した。しゃがんだままの状態で、立っているクラスメートの女子にボールを渡さなければならないのは屈辱的だった。

「ありがと」

 ボールを受け取った女子は冷たく優香を見下ろしながらそっけなく言った。

 そんなことが何度も繰り返された。

 やがて男子の方でも真似をしだしてわざとパスを逸らせて優香に取りに行かせた。そうすることで優香のお尻を間近で見ることができるからだった。

 こんな調子でこの日の体育は続けられた。疲れてちょっとでもつまずいたりすると田崎に容赦なく尻を叩かれた。授業が終わる頃にはもう彼女のお尻は両側とも一面真っ赤になっていた。

????????????????????????

ようやくこの日の長い体育の授業が終わった。優香はへとへとになって、疲れた足を引きずりながら更衣室まで帰っていった。

 と、着替えを始めようとして鞄を開くと、中に体操服とブルマーが入っているのに気がついた。(さっきあれだけ探したのに!)それはどちらも普通のサイズの、つまり見慣れた優香自身のものだった。

「なに、ちゃんと持ってきてたんじゃない」

 その様子を見ていた女子がすかさず言った。

「違うの、さっき探したときは、本当に…」

 しかしもう誰も優香の言うことを信じなかった。

 
(もう無理…こんな生活、耐えられない)

 体育の授業の後、教室に戻った優香は思った。

(これじゃ写真を見られたほうがマシよ)

 優香の心はすでに限界に達していた。もうどうなってもいい、放課後スカートを買って明日からまた普通の生活に戻ろうと心に誓ったのだった。

 だが放課後、掃除を終えて、購買へスカートを買いに行こうとすると、携帯が鳴った。メールだった。

「最後の命令です。これをクリアすればもうあなたを脅したりはしません」

 とあった。そして続いて二通目のメールが来た。

「実験室に来てください」

(ホントに、ホントにこれで最後なのね)

 優香には信じられなかったが、しかし目の前に現れた希望の光に飛びつかずにはいられなかった。とにかく実験室に行ってみることにした。

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 一週間前に訪れた実験室。今日もそこには誰もいなかった。優香は中に入ると、無意識のうちにこの前紙袋の置いてあった窓際のテーブルの方へ向かっていった。

「おい、あいつこんなところで一体なにをするつもりなんだ?」

 ドアの隙間からこっそり覗いていた山田が囁いた。近頃優香の様子がおかしいと、友人を誘って後をつけてきたのだった。その中には心配そうに見守る香織の姿もあった。

「さあ、誰か人と会うのかな?」
「こんなところで?」
「告白でもするんじゃね?」
「そしてそのままキスってか…」
「そんでそのままセッ…」「ちょっとあなたたちなに言ってるの! やめて!」

 香織は顔を真っ赤にしながら連れの二人に注意した。

「なんだよ、怒るなよ。もしかしてお前まだバージンなのか?」

 香織は何とも答えなかった。

「あ、そうなんだ。なあ、そうなんだろ?」
「関係ないでしょ! そんなこと…」

 確かにその通り香織は処女だった。だから香織は、そういう話題を耳にするだけで顔を真っ赤にして恥ずかしがり、嫌悪の念で心を一杯にするのだった。

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 と、そうこうしているうちに、クラスメートに覗かれているとも知らない優香は、緊張の面持ちで次のメールが来るのを待っていたのだが、やがて待つほどもなくメールが来ると優香はどきどきしながら読み出した。

「よく来てくれたね。本当にこれで最後だから、心配しなくていいよ。あなたがちゃんと命令通りにしてくれたら、もうこんなメールは送らないから。わかったらその場で頷いてくれるかな」

 優香はその通り頷いた。するとすぐ次のメールが届いた。

「よし、お利口さんだ。じゃあまず、その場で全裸になってもらおうかな」

「えっ?」
「三分以内だよ、では始め」

 優香はその場で気が遠くなった。携帯の画面を茫然と見つめたまましばらく身動きもできなかった。

身動きもできないまま、何分かが過ぎた。

 優香が我に返ったとき、果たしてどのくらいの時間が経過したのか、自分ではわからなかった。

 が、そのとき窓の外を見てハッとした。

 校門に人が立っている。ポスターを持った、ジャージ姿の人間が。そしてゆっくりと、ポスターを広げて、門の柱に貼り出した。

「いやっ!」

 まだジャージの背中に隠されてポスターの表面は見えなかったが、その側を何人もの生徒たちが通っていく。

「いやっ、やめて!」

 そして優香は思った。

(もう、やるしかないのね…)

 まずゆっくりと、上のセーラー服を脱いでいった。

「おいおい、あいつ脱ぎ出したぞ」

 ドアの隙間から窺っていた山田が囁いた。

 次にスカートを、床にすとんと落とした。これで完全に下着姿になった。

「やっぱり露出狂だって噂は本当だったんじゃないか?」

 続いて一瞬ためらった後で、優香は背中に手を回すとホックを外し、白いブラジャーを、その豊かな胸から取り去った。ピンク色の小さめの乳輪。つんと立った乳首。激しい息遣いのたび、優香の柔らかいおっぱいは小さく揺れた。

「………」香織は先程からずっと黙っていた。が、その顔は見るからに嫌悪の表情に変わっていた。

 続いて、最後に、優香は手を腰にやり、自分の白いパンティーを、ゆっくり下におろしていった。

 まだ教師に叩かれた赤味の残る、肉付きのいいお尻が現れた。また縦に走る割れ目もあらわになった。

 パンティーを爪先から抜き去ると、これでとうとう完全な裸になった。ひと気のない実験室とはいえ、学校の教室で、田辺優香は全裸になったのだ。

「やべぇ、おれ勃起してきた」
「俺もだよ。あいつの胸、予想以上にでかかったんだな」
「………」

 優香は全裸になるとすぐ両手で胸と股間を隠し、再び窓の外を見た。校門のあの人間とポスターは、すでに消え去った後だった。

 西日が優香の裸を余すところなく照らしていた。

 
 こうして優香はついに教室で素っ裸になった。

(もうこれでいいでしょ…勘弁して)

 が、それから三分経っても次のメールは送られてこなかった。

(なに、どうして…どういうこと?)

 またしばらく待っていてから、ようやくメールが来た。

「優香ちゃん、うっかりさんだね、上履きと靴下脱ぐの忘れてるよ。でもいいや、本当は両方とも脱ぐまで待ってようと思ってたんだけど、見てるうちに何だかこっちの方がよくなってきゃった。だからそのままでいい。」

 たしかに、全裸に紺のハイソックスというちょっと違和感のある格好は、かえって生まれたままの全裸より、惨めで卑猥な姿だった。

「じゃあ、次に今から一分以内に、その全裸の姿のまま、廊下に出るんだ。ただし手で胸やアソコを隠しちゃいけないよ。ちょっとでも隠したらやり直しだからね」

 優香は愕然とした。

(このまま…教室の外へ?…)

 ドアの向こうでは依然としてクラスメートの三人が、ついこの間まで優等生という評判のあった優香の奇行をのぞき見ていた。

「俺この前までは田辺のこと好きで告白しようかと思ってたんだけど、やっぱりいいや、あんな変態」
「俺も前から付き合いたいと思ってたけど、今はこっちの方から勘弁だよな」
「でも、やるだけならいいな…」
「だよな…言えばやらしてくれるんじゃね?」
「………」

 香織はそんな男子二人の話などもう耳に入っていなかった。心の落ち着きを失って、ただ一心にドアの向こうの優香の姿を、睨みつけるように見ているだけだった。もう香織は優香を親友とは思わなかった。露出狂、変態、ヤリマンなど、今まで自分の使ったことのない名称で、優香のことを思うのだった。

「おい、逃げろ! こっちに来るぞ」
「マジかよ、あの格好で出るのかよ」

 事実、そのとき全裸の優香がドアに向かって歩き出してきた。自分の裸を隠しもせず、揺れるおっぱい、うっすら生えた下の毛を晒しながら、ドアに真っすぐ向かって来るのだった。

 間一髪、三人は廊下の角を曲がって隠れることができた。そしてまたそこから観察を続けた。

 優香は廊下に出ると次のメールを待った。手で胸を隠すことができないので死ぬほど恥ずかしかった。誰かに見つかってしまうかもしれない。あるいは自分のクラスメートに… 優香の頭に香織の顔が思い浮かんだ。今では友達といえるのは彼女一人だけだった。

(もしこんなところを香織に見られたら…そうなったら私、もう生きていけない…)

 優香は本当にそうなった場面を想像して、胸の先まで真っ赤になった。

 と、そこへ次のメールが来た。

「よし、いい子だ。胸を隠さなかったね。もし誰か人に会っても、隠したりしたらいけないよ。隠したらその地点でアウトだからね。では、次にそこから突き当たりまで行って、非常階段に出てもらおう。」

(そ、そんな…非常階段って…それじゃ…外に出るってことじゃない)

 人が使うことはないとはいえ、たしかにそれは校舎の外だった。上履きと靴下だけの全裸の格好で屋外へ出るなんて、見つかれば…いやそもそも法律違反、つまりは犯罪だ。

 しかしもう優香にはやるしか道は残されていなかった。

 決心して、廊下の突き当たりまで行くと、階段へ続くドアをおそるおそる開けた。

 どうやら人はいないようだった。が、一歩外へ出るともう遠くから部活中の生徒たちの掛け声が微かに聞こえてきた。

 風が優香の裸に冷たかった。毛が揺さぶられ、股間をひんやり撫でられるようだった。

 メールが来た。

「よし、じゃあそのまま一番上まで上るんだ。」

 優香はもうためらわなかった。早く済ませてしまうことが唯一の解決策だともう諦めてしまったからだった。

 石造りの螺旋階段。外側に高さ1メートルほどの囲いがあるとはいえ、囲いの上からは周囲がはっきり見渡せた。校門、グラウンド、プール、テニスコート… 校門はまだたくさんの生徒達が下校中だし、テニスコートでは仲間の部員達がもう練習を始めていた。

 優香は、低く身を屈めて囲いの内に隠れながらゆっくり階段を上っていった。

「田辺のやつ、全裸で階段なんか上って…次は何をするつもりだろう?」

 三人のクラスメートも階段に出て優香の後を追っていたのだった。

「さあ、俺には見当もつかない」
「おい見ろよ、ここからだとお○んこまる見えだぞ」「ホントだ、田辺優香のお○んこだ…」

 香織もそれを見ていた。というより、階段を上へ行く優香を追う関係上、嫌でも目にしてしまうのだった。低く身を屈めながら優香は上っているので、自然お尻は突き出され、開かれた二つの穴が下から丸見えになっているのだった。

(最低、最低、最低…)

 と香織は心の中でさっきからその言葉ばかりを繰り返していた。

 やがて一番上へ着いた。優香は身を屈めたままの姿勢でメールを待った。

「着いたね。では今からその階段の手摺りに跨がるんだ。もちろん外側のね」

(いやっ! それだけは絶対にいやっ!)

 優香がそう思うのも当然だろう。いくら高くて目立たない階段の最上階といえ、見ようと思えば下からはっきり見上げられるところなのだから。

 さすがの優香もこれだけは無理だった。泣き顔になりながら、じっと階段に立ち止まったままだった。

 するとすかさずメールが来た。

「もたもたしてると人を呼んじゃうよ。階段に不審人物がいるって」

 その瞬間、優香の心の中で何かが崩れ去った。もうよく物を考えられなくなっていた。彼女はまるで操り人形のようだった。

 階段の丸い銀の手摺りを掴むと、優香は片足を大きく上げて跨がった。金属性の細い手摺りが優香のアソコに冷たく食い込んだ。下を見下ろすと制服や運動着姿の生徒たちがはっきり見えた。顔を上げる者はまだ誰もいなかったが、もうすでに誰かから見られているかもしれないと思うと気が気ではなかった。

 優香は手摺りに股間を食い込ませて跨がったまま次のメールを読んだ。

「うわぁ、ホントにやったんだ。もうこうなると言い逃れできないね。お前が露出狂だってことに。ここからよーく見えるよ。お○んこ食い込ませて悶えてるお前の姿が。」

 優香は一瞬どきっとして辺りを見回したが、それらしい人物は見分けられなかった。だから諦めて続きを読んだ。

「そしたら、もうこれで最後。後は簡単だ。そのまま腰を動かしてオナニーするんだ。前後左右にお○んこをこすりつけて、手摺りをびょびょに濡らすんだ。終了のメールがあるまで続けるんだよ。ごまかしたりしたらいつまで経っても終わらないからな」

 優香は携帯を閉じると地面に置いた。そして手摺りに跨がったままの姿勢で、しばらくのあいだ声を立てずに泣いていた。

 先程から一階下の曲がり角から優香の行動を観察し続けていた三人は、優香が階段の手摺りに跨がったとき、一様に言葉を失った。てっきりそこから飛び降りるんじゃないかと思ったのだった。が、それからすぐ、そうじゃないということに気付くと、今度はまったく別の意味で言葉を失った。

 頭をむこう向きにして、上半身を低く曲げて手摺りに跨がっている優香の尻は、三人の位置からだとはっきり見えた。いわば股間で手摺りを挟んで四つん這いをしている体勢なので、大きく開かれたお尻の穴や、手摺りとアソコの密着部分も細かいところまで見えるのだった。そしてそのはっきり見える優香のアソコが、あるときゆっくり動き始めたのだった。前後左右に、金属の棒に自分の性器をこすりつけて、それは明らかにオナニーをしている光景だった。

「おい、とうとうオナニー始めちゃったぞ」
「これが目的だったのか」「ほら手摺りがだんだんと濡れていくぞ」
「お○んこはもうぐちょぐちょだ」

 そう言う二人もそれを見ながらズボンの中でいつしか手を動かし始めていた。

 優香は最初はおそるおそる、ゆっくり腰を動かしていただけだったが、それでは少しも濡れないのと、あと自分で意識はしなかったが徐々に気持ちよくなってきたため、次第に激しく腰を動かし始めた。今年で18才になるがまだ処女の、実はまだオナニーさえしたことのない、それは優香にとって初めての快感だった。

「あ、うぅん…あ」

 優香は次第に理性を失って、性器の快感の命ずるがままに腰を動かしていった。慣れない感触に優香のアソコはすぐに敏感に反応し、やがてびっしょりと手摺りから滴り落ちるほどの汁が溢れ出すのだった。しかもまたそこの手摺りには、あらかじめ媚薬が塗り付けられていて、それがさらに優香のうぶなお○んこを刺激したという具合だった。

 こうしてもう我を忘れて自慰に耽り、やがて絶頂に達して気を失いそうになったそのとき、地面に置いた携帯が震えてメールが来た。

「お楽しみ中のところ悪いんだけど、一つ忘れてたことがあった。もうこんな時間で、今から部活には行けないだろうから、誰か友達に電話しとかないといけないよ。もちろんオナニーしたままでね。少しでも休んだら人を呼ぶからね」

(あ、ぁん…電話?…友達?…)

 優香はもう冷静に考える力を失っていた。だからメールを読むと、腰をいっそう激しく揺り動かしながら、ただちに香織の携帯へ電話をした。

 その優香のこれまでの様子をずっと下から睨むように見ていた香織だったが、そのときポケットの中で自分の携帯が震え出したので我に返った。見るとそれは優香からだった。いま自分の目の前で恥ずかしげもなく階段の手摺りに股間をこすりつけている、昔の親友の優香からだった。

「もしもし…」

 香織は場所を移しもせず、冷たい口調で言った。快感に没頭していた優香は下から聞こえてくる香織の生の声に気付かなかった。二人の男子は相変わらず自分たちの快感に没頭していたので香織が電話しだしてももうお構いなしといった様子だった。

「か、香織ぃ?…んんぅ…あのね、あたし、いま急に体の調子がおかしくなっちゃって…あ、ぁん…だから、今日は部活には行けないや、ごめんね…ぁ、んんぅ」

 香織はこれまで何とか我慢して自分を抑えていたのだったが、このとき、この優香の言葉を聞いてついに怒りが爆発した。電話を繋いだ状態にしたまま、コツコツと階段を上っていき、優香が全裸で手摺りに跨がって腰を振り動かし続けている前まで来て止まった。

 優香は目の前に立つ香織の姿を、一瞬信じられなかったようだった。けれども、やがて本当に香織がいるのだと気付くと、もう完全に取り乱した声で言った。

「香織…違うの、これは…」

 しかしそう言っている間も、止めてはならないという命令なので腰を動かし続けていた。

 香織はもう動物を見るような、軽蔑しきった目でしか優香のことを見なかった。

 手摺りからまた新たなしずくが地面に滴った。

「最ッ低!」

 香織は電話越しにそう言い、電話を切ると、そのまま走って階段を降りていってしまった。

 下にいた二人の男子も、優香に気付かれたと見るや走ってどこかへ消えてしまった。

 命令終了のメールがあったのはそのすぐ後のことだった。実験室に戻って服を着た優香は、しばらくの間、床に泣き崩れて立ち上がれなかった。

 この日からもう学校の中に優香の味方は一人もいなくなった。翌朝、教室に入っておそるおそる香織に挨拶すると、香織はちらと冷たい視線で睨み付けただけで、無視して新たに加わった女子のグループの方へ行ってしまった。

 もう誰も優香に話し掛けようとしなかった。昨日の非常階段でのことは、しかしまだ伝わっていないらしかった。それは香織が固く口止めして、あの二人の男子に、ばらしたらあんたたちがオナニーしてたことを言うよと脅したからだった。

 しかし香織が口止めしたのは優香を守ろうとしてではなかった。裏切られた友情は、以前の絆が強かったぶん、いまやそれと同じ強さの憎しみに変わったのだった。

 昼休み、優香が教室の隅で一人で弁当を食べていると、そこへ香織がやってきて言った。

「今日、放課後部室で緊急ミーティングがあるから、絶対に来るんだよ」
「うん、必ず行く…でもなに、こんな時期に。試合はまだだいぶ先だし、合宿だって…」

 しかし香織は何も答えず無視して向こうへ行ってしまった。

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 放課後、女子テニス部の部室には、緊急ミーティングのために一年から三年まですべての部員が集められた。しかしそのうちの誰一人として、何が行われるかを知っている者はいなかった。

 やがてキャプテンの優香を含めた部員全員が集まると、副キャプテンの香織が前に出て、口を開いた。

「今日集まってもらったのは緊急にみんなで話し合わなければならないことがあるからです。というのも、それは、最近の我が部のキャプテンの振る舞い、および生活態度について議論すべきだと思うからです」

 香織はそう言うと優香の顔を睨み付けた。

「みんなも知っている通り、ここ数日の彼女の態度はひどいものです。何日も無断で練習をさぼり、そのくせ理由を説明しもしません。また、恥ずかしげもなく下着が見えるほどの短いスカートをはいてきて、クラスの、いや学校中の男子を汚らわしく誘惑しています。下着を見られて恥ずかしがるどころか、かえってそれを喜んでいるしまつなんです。こんな人が私たちのキャプテンでいいのでしょうか? こんな恥知らずな女がキャプテンだなんて他の学校に知れたら、部の名誉と伝統は丸潰れ、部員の私たちまで同類扱いされてしまうでしょう…」

 香織はここで一息つき、優香の方を見た。優香は部員の視線をさけるように顔を俯いていた。

 それを見た香織はにやっと笑った。そして再び口を開いた。

「よって私はここで提案します。田辺さんのキャプテン退任を。また、部の名誉と評判を著しく傷つけた罰として、今後彼女に新入部員以下として、0からやり直してもらうことを」

 香織の思いがけない提案に、部員たちはしばらくのあいだ黙って何とも答えなかった。が、やがて三年女子の一人が言った。

「賛成です。たしかにここ最近のキャプテンの態度は目に余るものがあります」
 すると続いて別の三年部員が言った。

「私も賛成です。こんな人がキャプテンだなんて、私恥ずかしくて耐えられません」

 そして次々に他の三年部員たちが賛成の意を表わすと、やがてこれまで遠慮して黙っていた下級生までが賛成の声を上げだした。

「賛成です。だって最近うちの部のことクラスの男子が、変態テニス部って呼んでるんですよ」
「こんなパンツ丸出しの恥さらしなキャプテンの命令なんて聞けません」
「一年生だってこんな人と一緒にされたらかわいそうだから、副キャプテンの言うように一年生以下としての活動でいいと思います」

 その後も活発な議論が交わされた。最近の優香の練習態度やさぼり癖について。また特に彼女の服装、今もパンツ丸出しで座っている、その男に媚びるような短いスカートについて。優香はそれらをうつむいて聞きながら、部員たちの軽蔑の視線が絶えず自分に向けられるのを感じた。

 やがて結論が出た。満場一致の多数決で、優香のキャプテンの地位剥奪、および部員に迷惑をかけた償いとして、明日から部活中は0年生として活動することに決定した。

「では最後に、優香、挨拶しなさい。それからみんなに迷惑かけたことのお詫びを」

 香織は優香を部員たちの前に立たせ、用意してきた紙を渡した。

「さあ、これを読むのよ」「え?」
「ほら早く! でないと昨日のことみんなにばらすよ」

 優香の顔が真っ青になった。唇がぶるぶる震えていた。が、香織に尻をつねられて、とうとう口を開いた。

「みなさん、私、田辺優香は、部のキャプテンであるにもかかわらず、練習を無断で何度も休み、また、下着丸出しの短いスカートをはいて町中にパンツを見せびらかし、恥ずかしげもなく快感に浸って、伝統ある女子テニス部の名誉と評判を著しく損ねてしまいました。よって、キャプテンを退任いたします。また、部およびみなさんの名誉を損ねてしまった償いとして、今後私は0年生として活動し、名誉の回復に努めてまいりますので、みなさんの厳しいご指導をお願いいたします。三年の先輩方の言うことはもちろん、二年、一年の先輩方の命令にもどんなことでも喜んで従います。みなさん、今まで生意気に命令や説教などしてすいませんでした。明日からはみなさんの指導のもと、部員として認められるよう努力していきます」

 その最後の方はもう涙で震え声になっていた。

 そして優香は香織にうながされ、部員全員に向かって土下座した。

 土下座をした優香のずり上がったスカートを、香織は腰までめくって、さらに突き出したお尻から白いパンティーを下ろして尻丸出しの状態にした。

 そして次に逆向きに部員たちにお尻を向けて土下座させ、これからの決意表明とばかり、そのむき出しの優香の尻を手で思い切り叩いた。

「痛い! お願い、香織…許して」

 ぴしゃ!

「先輩のあたしになにタメ口使ってんのよ。全然反省してないようね。厳しく教育してあげるから、覚悟しなさい」

 後輩へのしつけと称してそれから香織はまた何発も優香の尻を叩き続けた。

「ごめんなさい、香織、許してください」
「香織、じゃないだろ!」
「許してください、香織…先輩」

 優香はもうまるで子供のように泣きわめいて謝り続けた。

 それでこの日のミーティングは解散となった。

 翌日から地獄の日々が始まった。部活での0年生といい日々が。

 いつもは長く感じられる授業もあっという間に終わってしまった。

 放課後になり、掃除が終わると、優香は部室へ行く前にポケットから紙を取り出して見た。

 それには何十項目にも及ぶ『0年心得え』が書かれてあった。練習の服装、先輩に対する口の聞き方、挨拶の仕方、果ては着替えの仕方にいたるまで、事細かに書いてあるのだった。優香は今朝香織からそれを渡された。そして放課後部活の時間になるまでにすべて覚えておかなければならなかった。一つでも間違えると容赦なく罰せられる。

 優香は最後にもう一度確認すると紙をポケットに戻して部室に向かった。

 二階のバスケ部とバレー部の間にテニス部の部室はあった。だから部室の前の廊下を知り合いや他の部の下級生たちがたくさん通った。優香はたどり着くと、ドアの前に立ち、ノックして叫んだ。

「0年田辺優香です。着替えをしに来ました」

 事情を知らない他の部の部員たちはびっくりして優香の方を見た。

 部室のドアが開けられると、優香は鞄を部屋の中にいる一年生に渡した。

「お願いします!」

 とまたドアが閉じられた。すると優香は部室の前の廊下で制服を脱ぎ出した。男子の部室は一つ上の階であるとはいえ、廊下には他の部の女子たちがひっきりなしに現れる。

「やだ、ちょっと優香ちゃん、何してるの!」

 とそのとき知り合いのバレー部の女子が通って声を掛けた。

「テニス部0年、田辺優香です!」

 そう言わなければならなかったのだ。そして優香は服をどんどん脱いでいく。まずセーラー服の上を、次にスカートを、そしてブラジャー、パンツ、靴下に上履きを… つまり優香は人の通る廊下で全裸にならなければならなかったのだ。その側をバスケ部の一年生たちが通り過ぎた。

「ねえあの人たしかテニス部のキャプテンだったよね?」
「うん…でも何で廊下で裸になってるの?」
「さっき何か0年とか言ってなかった?」
「恥ずかしくないのかなぁ」

 優香はそんな周囲の好奇の視線に真っ赤になりながら、全裸のまま、廊下に正座して脱いだ制服と下着を畳んでいった。

 そして畳み終えるとまたドアの前に立って叫んだ。

「テニス部0年田辺優香です。服を脱いで全裸になりました」

 その声は廊下の一番奥まで響き渡った。一番奥の女子陸上部の部室からそのとき何人か顔を出したほどだった。

「ねえねえみんな来てごらん。ホントに全裸になってるよ」
「うわっ、ホントだ。信じらんない!」

 優香が叫ぶと、再び部室のドアが開かれ、中から手が伸びてきて優香の脱いだすべての服を受け取った。

「ありがとうございます!」

 すると中から体操着とブルマーが飛んできた。それはこの前体育の時間に優香が着た異常にサイズの小さい体操服とブルマーで、見ると体操服の胸の『田辺』という文字の両脇にマジックで文字が付け足され、読むと『0年 田辺 優香』となっていた。それが優香の練習着と定められたのだった。

 ノーパンノーブラの上に着るとはち切れんばかりに伸びたシャツの胸に乳首の形がはっきりと浮き出て微かにピンク色に透けて見えた。シャツの裾を入れるためブルマーはTバック状に大きく引き上げられ、優香の真っ白なお尻のほとんどをさらけ出していた。下着をはいていない股間は食い込んでスジができ、アソコの位置が一目でわかるようになっていた。

「テニス部0年田辺優香です。着替え終わりました」
 すると中から新キャプテンの香織の声が聞こえた。

「それじゃ一年生と

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